【モバマス】 塩見周子「なか卯には人生がある」
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33:名無しNIPPER[sage saga]
2018/01/28(日) 04:09:02.23 ID:nBRbhFMNO
周子「……」
周子「おいひいわぁ〜……」モグッ
周子(それからは、からあげを食べては親子丼をかきこみ、親子丼を食べてはからあげをつまんで……。まさに鶏尽くし)
周子(やがて、今更サラダの存在を思い出し……。前菜ではなく箸休め目的でそれを平らげる。そして……)
周子「ごちそうさまでしたぁ……」
周子(あっという間になくなってしまった……)
周子(濃厚な卵と、それに包まれたご飯……。それは解けた雪に等しく、あっという間に消えてなくなってしまった)
周子(普段のあたしなら特盛というサイズを選ぶことはあまりない。だけど、この親子丼はスルリと入ってしまった。なるほど、プロデューサーさんが『卵雑炊』と例えたのも頷ける)
周子(それゆえに、なくなってしまった後の口惜しさを感じる)
周子(――幸せな時間は、あっという間に過ぎ去っていく)
周子「……?」
周子(余韻に浸っていると、トレーの隅で食器の下敷きになった紙を発見する)
周子「これは……?」
周子(それは、サービス券だった)
そうだ、なか卯に行くとサービス券が貰えるんだよな。
周子(……そういえば、プロデューサーさんも言ってたっけ)
周子(サービス券には『こだわり卵無料券』、『からあげ二個無料券』とある)
周子(めっちゃ便利やん……)
周子(あたしはそれを取って、ズボンのポケットにそっとしまい込んだ)
周子(……別に、取らなくても良かった)
周子(でも、そのサービス券が何故かお守りのお札のように思えて……。今と、そして未来のあたしをこの世界に繋ぎとめる証明のような……)
周子(何を言っているんだ――そう思うだろうけど)
周子(そんな、サービス券というお守りの力を借りたあたしは一つ決心する)
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