6: ◆5AkoLefT7E[saga]
2018/01/12(金) 23:44:44.13 ID:rvz5aNSu0
怪しい人だなって、思ったんだ。正直に言っちゃうと。
「わっ、び、びっくりした……」
だって、このご時世に、見知らぬ女の子に声をかけて来るなんて、不審者か、変質者か、よっぽどの変人なんじゃないかって。
「おっと、申し訳ない、怒らせるつもりはなかったんだけど」
そう言って、その男性は申し訳なさそうにしている。ああ、多分、また睨んじゃったんだ。
「ううん、大丈夫、怒ってるわけじゃ……ないから」
「それなら安心した。それで、何を見てたの?」
「何って……このポスターだけど」
「ポスター……なるほど。アイドルになりたいんだ?」
「の、載ってる女の子が可愛かったから見てただけ!」
「ふうん……?」
男性はポスターを、いや、そこに刻まれた『アイドル募集』の文字を見ている。そしてまた、こちらの顔を伺ってきた。
なんだか、心の中を見透かされているような気持ちになってしまう。そんな目だった。
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