勇者「ニートになりたい」
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662: ◆7Ub330dMyM[saga]
2018/02/18(日) 23:06:48.25 ID:MV461hZpO
【1日後 クィーンズベル城 姫の自室】

姫「……」ブッスゥ

メイド「お、お嬢様。そろそろご機嫌をなおしてくださいまし。きっとなにかの手違いで」

姫「いいえっ!! たしかに痺れましたっ! それになにかボソッつぶやいてましたしっ!! 魔法を唱えたんですわっ!」

メイド「……あの、私の罪をかぶっていただき、命を救っていただいたのは事実ですし」

姫「それとこれとはなにも関係ありませんっ!」

大臣「姫さま、失礼いたします」ガチャ

姫「あーら、じじい。淑女の部屋になんのごよう?」

大臣「じじい……せめてじいやとか」

姫「じじい」

大臣「(この小娘がっ!!)」ニコニコ

姫「用件は?」

大臣「いやいや、用件はないんですけども。声が廊下まで聞こえていたので」

姫「用がないのなら、回れ右」

大臣「ぬぐっ! ……なにやら、痺れたとか」

姫「いやらしいじじい。盗み聞きしてたんですの?」

大臣「ほ、ほほ」ヒクヒク

姫「あなたには関係ないわ。出てって」

大臣「姫さま。僭越ながら、その魔法に心当たりが」

姫「……?」ピク

大臣「メイドよ。恋に落ちた時はあるか?」

メイド「は、はい?」

姫「セクハラですわ。お父様に言いつけて――」

大臣「それこそが、魔法の、正体なのです」

姫「ついに耄碌したんですのね」

大臣「古今東西、恋に落ちた時は、身体に稲妻がはしるという感覚と決まっております。のう、メイドよ?」

メイド「は、はぁ」

姫「恋……? そうなんですの?」

メイド「いえ、私は、よくわかりませんが」

大臣「ペットかなにかでも見つけられたんですかの? ……ごほん、良いですか。それはいわゆる、見惚れた時に現れる現象です」

姫「み、見惚れた……?」

大臣「犬ですか? 猫ですか? どちらでもよいですが。胸に手を当てて、愛くるしい姿を想い浮かべてごらんなさい」

姫「(勇者を……?)」

メイド「あ、あの、大臣さま。それ以上は……姫さまは嫁入り前の」

大臣「そうすると、たまらなく愛おしく思えてくるでしょう? ワシも犬を飼っておりましてな。野良だったのですが、最初の出会いはそりゃもうビリビリと電撃かと思ったくらいで」

姫「(勇者……あの時、見つめられて。そういえば、わたくしったら結婚の申し出を自ら、してた?)」ポワァンポワァン

メイド「自覚を、促すなんて……私、知りませんよ」

姫「……っ」ボッ

大臣「人生のパートナーとは、かけがえのない巡り合わせという運命でもあるのです。話は変わるが、メイドよ」

メイド「はい……」ブスゥ

大臣「? なにを不貞腐れておる」

メイド「知りませんっ! 本当にどーなっても知りませんからねっ!!」バンッ


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