659: ◆7Ub330dMyM[saga]
2018/02/18(日) 19:23:25.03 ID:h4MucOXBO
僧侶「傷の具合はいかがですかぁ」
リリム「(こいつ。厄介なのは、こいつだ。このパーティで、無抵抗な弱者を傷つけるのを躊躇わらない)」
僧侶「勇者さまの腕をやってのはどの魔族か言う気になりましたぁ?」
リリム「言うわけない」
僧侶「そうですかぁ」ゴソゴソ
リリム「……」ジー
僧侶「これぇ、モーニングスターっていう武器なんですけどぉ。鎖の先端にイボイボの鉄球がついてるんですぅ。当たれば痛いですよぉ」ヒョイ
リリム「……だから?」
僧侶「わたしねぇ、勇者さまって、かわいそうだと思うんですよぉ。自分らしくありたいって、そう主張してる男の子にしか見えなくてぇ」
リリム「……」
戦士「僧侶、それ、使う気か? いくらなんでも、そこまで。いっそ、ひと思いに殺してやったほうが」
僧侶「お師匠さまにぃ、言われてるんですよぉ。“精一杯、勇者さまのお力になってきなさい”って。そう思ってた、そう思ってたのに。でき、なかった」
武闘家「……」
僧侶「距離を測るべきか、詰めるべきか、悩んでる内に。腕をなくしちゃってましたぁ〜。あはは、臆病ですよね、私のせいですぅ」
リリム「(なんだ、こいつ、やばい……目に、光がないっ)」ゾワッ
戦士「僧侶……」スッ
僧侶「次なんてあるかわからない」パシッ
戦士「な、なにもあたしの手をはたかなくったって」
リリム「……アンタ、本当に、聖職者……?」
僧侶「でも、だから。だから、次こそは。うん、次なんて、あるのかどうか、あっても何をすればいいのか分からないけど。でもね、次こそは私、勇気を出そうと思う……ね?」カチャ
リリム「……」ゴクリ
武闘家「僧侶、やめろ」
僧侶「邪魔するの? 武闘家さんは少しだけ聡いと思ってたのに」
武闘家「次の、村だ。村につけば、勇者がるはずじゃないさ。直接、聞けばいい」
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