598: ◆7Ub330dMyM[saga]
2018/02/10(土) 19:04:22.24 ID:nMxbtsuVO
勇者「あー、そうな。かといって死んであげるわけにゃいかないしなぁ」
ベビードラゴン「おめぇ、つ、強いんだな」
勇者「勝負じゃなくて武器の性能だろ。ガキでも勝てちまうわ」
ベビードラゴン「ほどんど遊んでただろ。それぐらいわかる」
勇者「お前もちゃんとしたとこ見せるまでやれなくてすまなかったな。実力確認する前に終わるとは思わんかった」
ベビードラゴン「サキュバスにも、勝ったんだっぺ?」
勇者「あのグラマラスなおねーさん? 記憶がほとんどなくてねぇ……治ったぞ」
ベビードラゴン「……」サスサス
勇者「仕切り直しでもういっちょやる?」
ベビードラゴン「できれば――」
勇者「よしきた、それじゃあ」パンパン
ベビードラゴン「――ニンゲンの浅知恵を貸してくんろ」
勇者「あぁん?」
ベビードラゴン「こうなりゃ恥やプライドも捨てる竜王様をとにかく、助けてぇんだ。ニンゲンはコソコソやるのが好きなんだろ? そうだっぺな?」
勇者「なにがあったんだ? 魔族が人間に縋るなんてよっぽどだろ。しかも、俺ってば勇者よ? ひどい裏切り行為なんでない?」
ベビードラゴン「うっ……!」
勇者「悪かった悪かった。詳細話してみろ」
ベビードラゴン「(ほ、本当に、話していいんだべか。竜王様、きっとすごくお怒りになる。魔王様も、オラを許してくんね。で、でもっ)」
勇者「……」
ベビードラゴン「(こ、こいつには、本気でやっても勝てそうにない気が、する。たぶん、勝てない)」
勇者「どした?」
ベビードラゴン「に、にんげんよ」
勇者「なんだね?」
ベビードラゴン「こ、この場のやりとりは、墓まで持っていくと、約束するか?」
勇者「なに? そんなに大それた話? よっぽど必死なんだな。会ってすぐのやつに縋るなんて」
ベビードラゴン「時間がないのだ! 時間があれば、お前なんかに……!」
勇者「わかった。約束する」
ベビードラゴン「よ、よし。ならば、あとで魂の契約を交わせるか?」
勇者「えぇ〜なにそれ」
ベビードラゴン「口約束なんか信用できっか!! できないなら喋らねぇど!」
勇者「いや、お前が……まぁ、いいよ。話が進まないから」
ベビードラゴン「よ、よし。本当だな? やっぱりやーめたっとか無しだかんな?」
勇者「はいはい」
ベビードラゴン「――……実は、かくかくしかじかで」
748Res/717.30 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20