592: ◆7Ub330dMyM[saga]
2018/02/10(土) 11:18:41.28 ID:D1nh3B2VO
【竜王城 玉座】
シンリュウ「ふぅ……次期竜王の選別を行う。カイザードラゴンを呼んでまいれ」ドサッ
ベビードラゴン「オラのせい、オラのせいで」ブツブツ
シンリュウ「ベビー……」
ベビードラゴン「……うっ、そんなっ、うぅっ……」ポロポロ
シンリュウ「ベビー!」バンッ
ベビードラゴン「……っ!」ビクゥ
シンリュウ「済んでしまったことだ。気にするのはおやめ」
ベビードラゴン「でっ、でもっ」
シンリュウ「これからのことを考えねばならない。一族を守る。それだけを考えるのだ。魔王様の取り計らいで、わたしだけで済んだ。それで良しとしよう」
ベビードラゴン「りゅぅ、おうさまぁっ」
シンリュウ「よくお聞き。我ら魔族は魔王様の圧倒的カリスマで統率を保っておるが、各種族の横繋がりは薄い。いがみあっておると言ってもいい」
ベビードラゴン「……」
シンリュウ「我が背信行為をしたという事実。その責を問い、末席に追いやろうと計略するものがいる。誰か、わかる?」
ベビードラゴン「サキュバス、ですか?」
シンリュウ「そう。あれはしたたかだ。他の獣王や巨人王は知能が足りない。サキュバスは、これを機に魔王様のご寵愛を一身に受けようとするはず」
ベビードラゴン「(竜王さまをオラの前でバカにした……! 報いは必ず万倍にして返す……!)」
シンリュウ「後任の竜王には、辛酸を舐めさせような辛い思いをさせることだろう。残念だが」
ベビードラゴン「そっそんなっ! 竜王様はなにも悪くないとオラが言います!」
シンリュウ「やめよ」
ベビードラゴン「なっ、なんでだすかぁっっ⁉︎」
シンリュウ「既に裏世界でも噂になっておろう。私の部下が、ロトの剣を渡したと。ベビー、お前の話題だ」
ベビードラゴン「だっ、だからっ! 私が責任をもってっ!」
シンリュウ「生きよ。生きて立派に魔王様、次期竜王に忠をもって尽くせ」
ベビードラゴン「……っ」
シンリュウ「奪還しようにも時間がなく、勇者はもはやどうしようもないが、やらかした責任は私が墓まで持っていく」
ベビードラゴン「い、いやだぁっ!」ポロポロ
シンリュウ「これがお前の罰なのだっ!!」バンッ
ベビードラゴン「堪忍してぇっ。竜王様だけを逝かせるなんて」
シンリュウ「くるしかろう。死ぬよりももっと辛い想いを抱いてこれから生きていかなければない。何度も思い出して、後悔して……それでも、腐らず前を向いて生きていかなければならない」
ベビードラゴン「うっ、うっ、うわぁぁぁあんっ!」ポロポロ
シンリュウ「生きる。それがお前に化す、わたすからの罰」
ベビードラゴン「……うっ、うっ……」ポロポロ
シンリュウ「わたすが死ぬことで同族からも忌み嫌われるだろう。耐えて、必ずやわたすの志を紡いでおくれ」
ベビードラゴン「あぁあぁぁっ! びぃやあああっ」ポロポロ
シンリュウ「……よいな。なにもするな。さぁ、カイザードラゴンを呼んでまいれ」
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