535: ◆7Ub330dMyM[saga]
2018/02/07(水) 16:38:24.42 ID:NbYf4Q2GO
【廃墟付近】
お頭「お待たせしたな」
占い師「忙しいようだな。商(あきな)いは順調か」
お頭「お陰様で」
占い師「そちらの男は……?」チラ
ジャン「(まーた新しいやつが出てきた。フードを深めに被って顔はわからないが、女だな)」
お頭「ハーケマルの使者だ。なかなか使えるんで、仲間に抱き込んだ」
占い師「なに……? 間者ではないのであろうな。情報が筒抜けになるぞ」
お頭「金の魅力に取り憑かれてる男よ。なにかあった場合のケツは俺がとる」
占い師「……準備の進捗具合はいかが」
お頭「アンタに教えられた方法で、井戸の水を枯れさせてる。国相手となれば体力も尋常じゃねェ。困窮させるには期間を要する」
占い師「急いては事を仕損じるだけだ。かといって悠長に構えているつもりはない」
お頭「わァってるよ。ハーケマル王子の来訪に合わせられるように進めてる」
占い師「私の雇い主は気の長いお方ではない。計画が頓挫しようものなら、死を覚悟しろ」
お頭「その分、見返りはでかい。ハイリスクハイリターンってとこだな。俺にとっても国盗りの夢を叶える良い機会だ」
占い師「あのお方はクィーンズベルの没落を望んでおられる」
お頭「現政権を追い込んだら、俺を後釜に据えるという約束、忘れちゃいねェでしょうな」
ジャン「(そんな簡単にコトは済まんだろうに)」
占い師「覚えている。が、政権転覆となるとそうやすやすとはいかない」
ジャン「(そぉ〜らきた)」
お頭「な、なんだとォっ⁉︎ 約束を違える気かっ⁉︎」
占い師「名家出身でもない、王族でもない、盗っ人なぞに国を任せると思うか? 第一、周辺国にどう認めさせる」
お頭「国を疲弊させれば、現在の王族は窮地に立たされ、民の信用を失い――」プルプル
占い師「……」
お頭「そう持ちかけてきたじゃねェかッ!!」ビシッ
占い師「王になったとて、その先になにを見る?」
お頭「“自由”よッ!!」
占い師「愚かな……」
お頭「王になりゃぁ、国を、兵を、財をッ! 好きなように操れるッ!!」
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