482: ◆7Ub330dMyM[saga]
2018/02/04(日) 13:42:43.92 ID:BK8AK1TlO
【クイーンズベル 郊外】
ジャン「はぁ〜、なにやらこんがらがってきたな〜」パッパカ パッパカ
衛兵「……」
ジャン「どしたんだ? さっきから黙りこくっちゃって」
衛兵「魔族と裏で繋がってるなんて聞いて平気でいられるのがおかしいんですよ」
ジャン「悪そなやつはだいたい友達でいいんじゃないの。最高峰の魔族とツルんでるんだから、誇れば?」
衛兵「に、人間じゃないんだぞ⁉︎ お、おっかねぇ」ブルッ
ジャン「よくわからんなぁ〜。人間だからだとか魔族だからとか。やってる非道さは似たようなもんだろ」
衛兵「あいつらは人を食う!」
ジャン「……人間は人間を食わないけどさ、普通は」
衛兵「エサとしか見てねえだろ! お、俺らはそこまではしちゃいねぇ」
ジャン「お前なぁ、一般人から見たらどっちもタチ悪いんだが? ビビりめ」
衛兵「そんなんじゃねぇよ、俺はただ」
ジャン「衛兵が弱者を襲ったりする時だけ強気な典型的クソ野郎だとはわかったよ」
衛兵「な、なんとでもいえっ!」
ジャン「ガンダタは城に向かったのは確かなのか?」
衛兵「血の跡がまっすぐ続いてる。盗賊団との取り引き材料に使うよりも、謝礼を貰う方を選んだみたいだな」
ジャン「(このままほっとけば弟くんはメイドの元に帰る、が――)」
衛兵「お頭は人質の奪還をお望みだ。そうしないと、入団も認めてくれねぇぞ」
ジャン「(そこなんだよなぁ。魔族と井戸の原因がまだ判明してない……とりあえず、弟くんの無事を確認したら今わかってる情報だけ王様にながすか……?)」
衛兵「こういう取り引きはよくすんのか?」
ジャン「ん? いや、しないよ」
衛兵「それにしちゃ、慣れてるように感じたが。おカシラにもすぐ気にいられてたし」
ジャン「気に入ったんじゃなくて値踏みしてんの」
衛兵「……値踏み、ねぇ」
ジャン「気に入ったそぶりを見せてたのはハーケマルの使者だから。こいつは使えるとわかってはじめて“気にいる”のスタートラインに立てる」
衛兵「なるほど……」
ジャン「我輩のコミュ力におそれいったかね? なっはっはっw」
衛兵「もうすぐクイーンズベルだ。ジャン殿、まずは宿屋にいきやしょう」
ジャン「あっ! お前スルーしやがったな⁉︎ さみしいじゃないか!」
衛兵「めんどくさいんすよあんたの絡み!」
▼勇者は心に198758のダメージを受けた!
ジャン「き、傷ついた。会心の一撃をお見舞いするとはやるやないか……!」
衛兵「打たれ弱いな!」
ジャン「なんだよぉ、もっとかまってくれよぉ」
衛兵「さらにめんどくせぇ! ……城門は閉まってます! なんで! 宿屋です! 宿屋からいきやしょう!」
ジャン「はいはい」
衛兵「はぁっ」バシィッ
馬「ヒヒーンッ」
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