33: ◆7Ub330dMyM[saga]
2018/01/10(水) 15:20:45.97 ID:WsvInrNpO
【魔王城 玉座】
魔王「勇者が生まれ落ち、早18年の歳月。そろそろ旅立ちの日を迎えよう」
四天王一同「……」
魔王「にもかかわらず! 未だに詳細が掴めぬとは貴様らはそんなにも無能な集まりであるか!」ブンッ カランカラン
大臣「魔王様、落ち着きなされ。先代のワイングラスを投げては」
魔王「黙れ、黙れ黙れぇいっ!! 貴様達はなにをしておった! 遊んでおったのじゃあるまいな⁉︎」
サキュバス「四天王の一人、淫夢王サキュバスが恐れながら、申し上げます」
魔王「……」クィ
サキュバス「我々には、その、なぜ人間風情ごときをそこまで危険視するのか……いくら女神の加護を得ているとはいえ」
オーガ「同じく! 四天王が一人、巨人王オーガも同意致します! 大魔王様は絶対的存在! なにを恐るることがございましょう!」ズゥゥン
魔王「まだそのような認識でおったのか」
シンリュウ「竜族の長、シンリュウも疑念を抱いております。むしろ、身の程をわきまえていないのは人間達。ご采配をいただければ、すぐにでも国を滅ぼしてまいりましょう」
魔王「余が何度も説明したであろうが」
キングヒドラ「獣族の王! キングヒドラ! 我も理解できませぬ! 勇者が我々と人間の架け橋になるなどとありえぬこと!」
魔王「……古き伝承からあることよ」
サキュバス「し、しかし……!」
魔王「“勇者の冠を擁する者、光と共に、種族を超えた架け橋とならん。汝、争うことなかれ。争いはなにも生まぬ。勇者の作る光の道を闊歩せよ――”」
四天王一同「……」
魔王「なにも力だけが、この世の理ではないのよ。圧倒的な暴力。それは快楽、強さには違いない。だが、それを生みだす原動力がある」
シンリュウ「と、申されますと」
魔王「人間どもの好きな、希望とやらだ」
キングヒドラ「ぐふっ、ぬわっはっはっ! 大魔王! わからぬのはそこよ! 我々を人間と同じ尺度で捉えるとは言語道断!」ジャララ
サキュバス「左様でございます。人など餌同然」
魔王「やはり、わからぬか」
シンリュウ「当然でございましょう。もし、勇者が友好を持ちかけてきても瞬時に灼熱の息で消し炭にしてごらんにいれます」
魔王「……ふぅー」
オーガ「大魔王にはどっしりと構えていただきたい! 我らが種を代表する者であれば、魔王様もまた! 我らの代表なり!」
魔王「(気がついておらなんだか。サキュバス以外は男勝りな言葉使いをしているが、四天王、この私を含んで全員“オンナ”であることに。このままでは……)」
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