234: ◆7Ub330dMyM[saga]
2018/01/17(水) 15:11:20.79 ID:ZTs4EIV4O
【ミンゴナージュの村 〜 森林 馬車の中】
僧侶「ふぅ〜」パカっ
魔法使い「……なに? それ。手鏡?」
僧侶「はい〜。これは私の大切な方からいただいたものなのですぅ」
戦士「故郷か、親からの餞別品か?」
僧侶「いえ〜。私、親はおりませんのでぇ」
戦士「そうなのか。亡くなられた、とか」
僧侶「いえいえ〜。捨て子だったのですよぉ。ほらぁ〜、よく聞くでしょぉ〜? 教会に赤ん坊の入った籠をおくとぉ」
魔法使い「あ、あんまり、聞かない」
僧侶「そうですかぁ? 教会は駆け込み寺的な場所でもありますからねぇ〜。もしおふたりが無計画に子供を産んで、どうしてもとなったらぁ」
戦士&魔法使い「するかっ!!」
僧侶「……でもぉ、残念なことにそうしてしまう親もいらっしゃるのですぅ」
武闘家「親のこと、恨んでないの?」
僧侶「顔もわからない方をどうやって恨めというのですかぁ?」
武闘家「なぜ、捨てたのか、とか……」
僧侶「さぁ〜。事情があったのかもしれませんねぇ〜、なかったかもしれませんがぁ〜」
戦士「サッパリしてるんだな」
僧侶「そういうんじゃありませんけどぉ。そういう時期は過ぎ去ったというだけですよぉ」
武闘家「まぁ、でも、大切な人ができたならいいんじゃないさ」
僧侶「そうですねぇ〜。人は出会いがあり成長していくもの。女神様に感謝せねばなりません〜」スッ
魔法使い「信仰、ねぇ」
僧侶「耳を澄ませば、今にも聖堂からの賛美歌が聞こえてくるかのようですぅ」
魔法使い「なんだか、後光が見えるわ。僧侶から」
戦士「徳を勇者にも少しは分けてやったらどうだ?」
僧侶「またおふたりはそうやってぇ〜。勇者様は私たちが拝むべきお人なんですよぉ」
魔法使い「聖人君子なら拝みもするけどね。あれじゃあね」
戦士「うんうん」
僧侶「いつか、あなた方にも勇者様の御心を察することができるといいですねぇ」
ガタン ガタン
勇者「おい、ついたぞ」ヒョイ
僧侶「はい〜かしこまりましたぁ。勇者さまぁ〜」ニコ
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