146: ◆7Ub330dMyM[saga]
2018/01/14(日) 13:01:39.37 ID:o71JjVk4O
【医務室】
武闘家「うっ……」ムク
勇者「目が覚めたか」
武闘家「……そうか、蹴り一発で気を失ってしまったのか……」ポフン
勇者「ちゃんと鍛えてたお陰だろ。気絶で済んだのは」
武闘家「勝者が敗者に……!」ググッ
勇者「悪かった。それじゃ、俺は行くよ」
老人「待つアル」スッ
勇者「じーちゃん」
老人「たかだか一回の敗戦で、なにをイキってるネ」
武闘家「し、師匠」
老人「悔しいカ?」
武闘家「まだ、実感が……」
老人「そうダロよ。何度か寝て起きたらじんわりと負けという事実がのしかかってくるアル」
武闘家「……」
老人「あの時こうしておけばよかた、もっとできたはず……そして、その先にアルものは、自信の喪失ヨ」
武闘家「アタイは……」
老人「オマエが積み重ねてきた拳は、なんのタメにあるのヨ」
武闘家「なんの、ため」
老人「楽しくないとつらい修行はやってられないヨ。オマエ、ドMか?」
武闘家「そ、そんなわけっ、ないじゃないですか……」
老人「成長、変化が楽しく。たまにうまくいった時が気持ちイイからダロヨ」
武闘家「は、はい……」
老人「見世物小屋に長居しすぎたヨ。ワシも悪かったアル」
武闘家「いえ、そんな、アタイが未熟なせいで」
老人「謙虚さがあるならまだ取り戻せる。学ぶ姿勢はイツだって、傲慢とはかけ離れてイル」
武闘家「はい」シュン
老人「勇者よ。マスクかぶってちとついてくるアル」
勇者「お、おう。だけど、ついておかなくていいのか」
老人「ヒナはヒナなりに考える時間が必要ネ。ほっとくよろし」クルッ スタスタ
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