3: ◆Kg/mN/l4wC1M
2018/01/05(金) 19:06:12.51 ID:dxik6X9do
誰もいない控室はとても暗く、思わずため息が零れた。
手探りで電気のスイッチを探し、付けてやる。
劇場の裏にある、舞台から切り離された場所。
肩にかけた小さな鞄を置いて、着飾ったコートを脱いでいく。
ふう。お洒落をするのも大変ね。こう見えて結構重さもあるから。
ようやく自由になった肩に手を当てながら息を吐いた。
準備中の控室を訪ねてくるものはほとんどいない。
自分で遠ざけたつもりはないけれど、集中の邪魔をしてはいけない、というのがいつからか関係者の間ではよく知られたことになっていた。
まあ、私にとってもあまりむやみにのぞかれたくないものだもの。
むしろ都合がよかったかもしれないわね。
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