12: ◆Kg/mN/l4wC1M
2018/01/05(金) 19:14:52.19 ID:dxik6X9do
私の肩書きに「元」がつくようになってからも、もうそれなりに経ってしまった。
演出家のかたにお願いをして、今はこの舞台に特別に関わらせてもらっている。
「あの往年の大女優・馬場このみが協力」だなんて、そんな触れ込みさえ出まわってしまっている。
「琴葉ちゃん、おはよう。朝からお疲れさま。」
「あっ、このみさん。おはようございます。」
まだまだ本番は先だけど、もう通し稽古は始まっている。
いちばんに着いたと思っていたけれど、琴葉ちゃんはすでに練習を始めていた。
なんだか昔の自分を思い出しているようだった。
「あなた、なんだか私とすこし似ている気がしているの。」
「そんな、私なんてまだまだで……。」
「でも。あなたなら、『彼女』を演じられると思う。主演、頑張ってね。」
「……はい!ありがとうございます!」
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