74: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/05(金) 21:58:08.20 ID:c1/viYU+0
丁重に扱えよ、と言って本を貸した。
あいつは痕跡を残すような本の扱いはしないと思うが、あいつの部屋に私の本があるというだけでも嬉しい。ああ、カレーの匂いでもついて返ってきたら面白いかもな。
私の、一番お気に入りの恋愛小説。
ちょっと回りくどいが、あれは私なりのラブレターだ。あいつがその事に気付くとは思えないし、気付かなくてもいい。
本が返ってきたら、それだけで思い出になるからな。
私だけの思い出になれば、それでいいんだ。
【文車妖妃・おわり】
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