148: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/10(水) 22:12:51.32 ID:29K6rrFw0
「まあ、気持ちは分かるけど」
ちょっと済ませちゃいたい作業があるからそれだけここでやらせてくれよと、千代美は鞄を漁り始めた。
彼女が鞄からぬっと取り出した物を見て、若干たじろぐ。
「えへへ、家から持って来ちゃった」
『鉄鼠の檻』。
今回の出来事のきっかけになった本。改めて見ても異様な厚さだ。先程、本屋に並んでいるものも見てきたが、他の文庫の四、五冊分はあろうかという感じだった。
千代美から借りて頁数を見てみると、千三百を超えていた。辞典か。
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