北条加蓮「アタシ努力とか根性とかそーゆーキャラじゃないんだよね」
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◆ikbHUwR.fw
[saga]
2017/12/31(日) 22:21:57.23 ID:vyCd+JK40
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中学生のある日、アタシは激しく体調を崩して入院した。
何日ものあいだずっと高熱が出ていて、食事もまったく受け付けなかった。
意識があるときも、熱に浮かされてろくにものを考えることもできず、起きているのか眠っているのか自分でもわからないような日々が続いた。
ぼんやりと、「死ぬんだろうな」と思ったことだけは覚えている。不思議と、怖くはなかった。いっそ早く終わらせてほしいとすら思った。
そのとき、ふと指先に妙な熱を感じた。
薄く目を開くと、看護師さんがアタシの手を取っている姿が映った。最近赴任してきたばかりの、若い女の人だ。
――なにをしているの?
そう言おうとしたが、言葉は声にならず、喉からはすきま風のような音がもれただけだった。
「あら、起こしちゃった?」
アタシは返事の代わりに、ぱちぱちとまばたきをした。
「今ね、加蓮ちゃんにマニキュアを塗ってたの」
――マニキュア?
「ほんとはお化粧もしてあげたいんだけどね」
そう言って、看護師さんはほほ笑んだ。
どうしていいかわからず、アタシはただ、ふうふうと荒い息をついていた。
「だって、こんなにかわいいんだもの、なにもしないなんてもったいないじゃない?」
彼女がなにを言っているのか、アタシにはよくわからなかった。うつろになっていく意識の中で、「内緒ね」と言ったのが、かろうじて耳に届いた。
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