4: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2017/12/30(土) 06:08:10.23 ID:amdXqONW0
「ごめんなさい、プロデューサーさん……」
衝撃から視界がグニャリと歪むなか、畳みかけるように島村さんが謝罪の言葉を口にします。
何を、謝るのでしょうか。
島村さんが、何をしたというのでしょうか。
島村さんが私などに、あのようなことを、するはずがないというのに。
島村さんは年頃の女の子です。
アイドルといえど、恋に落ちることはあるでしょう。
意中の相手の無防備な姿を見て、魔がさしてしまうこともあるでしょう。
しかしその相手は学校で人気を集めるバスケ部やサッカー部のエースだったり、あるいは同年代の男性アイドルのはずです。
一回り以上歳の離れた、特に面白みの無い私などであるはずがないのです。
それなのに――
「その……気持ちよさそうに寝ているプロデューサーさんを見ていたら……い、イタズラしたくなっちゃって」
「い、イタズラ!?」
イタズラで、私などの頬にキスをする。
あの、島村さんが?
視界の歪みがいっそう強まり、飛行機で離陸するときの気圧変化のように耳に甲高い音が鳴り響き、私の頭蓋を苦しめる。
そんなこと、有り得ない。
有り得ない、ありえない、ありえないありえないありえないありえないありえないありえな――
「指でつついちゃってごめんなさい!」
「――――――え?」
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