78: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/01/12(金) 00:34:18.90 ID:zkSUgY8K0
────落下物の側面、拉げ穴だらけになった扉に【日ノ出テレビ】の文字を見つけ、それが深海棲艦機に撃墜された報道ヘリだと気づいたときには、僕にはもう時間は残されていなかった。
(; ω )「うあっ………」
バチバチととんでいた火花が燃料にでも引火したのか、機体が一際大きなオレンジ色の炎を吹き出した後に爆散する。幸い3m程の距離があったため巻き込まれて木っ端微塵になることは避けられたが、爆風に吹き飛ばされた僕の身体は5メートルほど後ろで花壇に叩きつけられた。
(メ; ω )「ゲホッ………」
肺から酸素が逃げていき、体中を苛む激痛と併せて意識を朦朧とさせる。著しく機能低下した耳が、何かがひび割れていくような音が近づいてくるのを捉える。
「ブーン先生!!!」
音の正体が、ヘリが爆発炎上した場所から伸びるひび割れが僕のもとまで到達したのと、宇津木さんの叫び声が響いたのはほぼ同時。
アスファルトが砕け、甲板が崩落し、身体の下から地面が消失する。ぽっかりと口を開けた暗い裂け目に、為す術無く落ちていく。
(メメ ω )(………シュー)
死の間際の走馬燈の代わりに、脳裏に浮かんだのはシュールな幼馴染みと最後に飲んだときの光景。
それを噛みしめる間すらなく、僕は意識を手放した。
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