609: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/08/27(月) 23:04:19.71 ID:IP2U38kI0
とはいえ、その決意の強さは痛いほどに伝わってくる。それに出し惜しみする気がないのはアスパラガスも同様だ。
「ダージリン、この件は間違いなく長期戦になるざます。ペース配分と人員の休息スケジュールも考えた方がいい」
「同感ね、ローテーションはアッサムに作らせるわ。あの子はデータの管理が上手いもの。
それと、総務省と消防庁の方にも少し探りを入れた方が良さそうね。避難計画や緊急車両の稼働状況から解ることもあるかも知れない」
「総務省については我々の方でもう幾つかBC学園関連の“パイプ”があるざます。データを送っておくからGI6の方で自由に使えるよう手配を」
「ありがとう。礼は必ずするわ」
「その礼は是非我が校の偉大な卒業生達に送ってほしいざますね」
BC学園と自由学園の統合に関連するゴタゴタには、確かに当時アスパラガスも立ち会った。だが自由学園中等部の首席として末端に名前のみ連ねただけであって、実際に政府側との交渉を行ったのは両校の高等部生徒会や戦車道チームの隊長達だ。
防衛省、文科省を中心に各省庁に繋がる数多の“パイプ”も、その時彼女達が残してくれた遺産に過ぎず地力で勝ち取ったものではない。
戦車道チームも学園自体も最後までまとめ上げることが出来ず、ボルドーやムールを筆頭に優秀な人材を腐らせ続けてきた。そんな自分がその貴重な遺産を、しかも他校を助けるために食い潰すことに対する抵抗や自責の念が無いと言えば嘘になる。
「それと、BC学園の“鎮守府化”に伴う国連職員立ち会いの関係で外務省の方にも多少コネがある。まぁ、外務省ならそっちの方が関係は太そうざますが……」
「いや、OG関連のコネクションだとどうしても下ろしてもらえる情報には限界があるわ。内部への直接的な繋がりがあるならそっちの方が間違いなく多角的に集められる」
「なら主要な現役局員の連絡先を送るざます。すぐオレンジペコ達に連絡させるよう手配を」
だがアスパラガスは、そうした自身の感情をかなぐり捨て惜しげも無く極秘コネクションを開放していく。
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