エンド・オブ・オオアライのようです
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133: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/01/18(木) 23:04:08.54 ID:pWIW7eUO0
人体は、案外脆い。脳という極めて重要な器官を守るためにとりわけ丈夫に発達したのが頭蓋骨だが、それだってやろうと思えば人間の力でも簡単に破壊できる。ついさっき、保安官の頭が潰されたように。

男が西住ちゃんに向かって鉄パイプを振り下ろしたとき、同じ光景が繰り広げられると思った。だから、私は咄嗟に眼を瞑ってしまった。

(────あれ?)

でも、すぐに違和感に気づく。

打撃音は確かに響いたけれど、それは保安官が殺されたときとは似ても似つかない随分と乾いたもの。それに、西住ちゃんが倒れる音もしなければ私に対する追撃も一向にない。

「に、西住ちゃん……?」

震えそうになった声を辛うじて抑え、恐る恐る眼を開ける。

真っ先に眼に入ったのは、眼前で木の幹にめり込んだ鉄パイプ。相当な力で振りかぶられていたらしく、幹の陥没は軽く1cmに達するだろうか。

「…………Shit!!』

そして、そのパイプを必死に窪みから引き抜こうとする大男。おそらく、学園外どころか国外からの観光客なのだろう。顔つきも身長も横幅も何もかもが日本人離れしている。

「Damn……!』

───最後に、その外国人が巨体を揺すり、金髪を振り乱し、口髭を震わせて引き抜こうとしている鉄パイプは。

「……………」

“大洗の軍神”なんて大層な渾名で呼ばれる細身の高校二年生が、困ったような表情を浮かべながら右足一本で完全に抑え込んでいた。


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