82: ◆GO.FUkF2N6[saga]
2017/12/31(日) 10:16:42.01 ID:S+a4hU780
「やっ……」
口を押えて、叫びそうな衝動を飲み込む。
「ふぅ、よかった」
隣でプロデューサーさんが息を吐いた。
「乃々のやつ、俺やトレーナーさんがやめておけといってるのに、あれをやると言って聞かなくてな。わざわざ居残りまでして、あのターンを練習してたよ」
「え?」
やめろと言ったのに聞かなかった? 自主練をしていた?
どうして? なんのために?
私の困惑をよそに、乃々ちゃんは華麗に踊りながら、あいらしい歌声を響かせる。
乃々ちゃんのもつ雰囲気と緑色の衣装もあって、まるでいまステージにいるのは妖精ではないのかと錯覚させられるほどに、彼女は美しかった。
会場にいる誰もが、森久保乃々というアイドルに、ただただ見とれていた。
緑色の妖精は曲が終わるまで、私たちを魅了しつづけた。
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