64: ◆GO.FUkF2N6[saga]
2017/12/30(土) 17:20:44.28 ID:8F8qoQQF0
🎀
プロデューサーさんからもうすぐ退院するぞと連絡がきたのは昨日のことだった。
さすがに早すぎませんか、と聞くとどうやらだいぶ無理をしてお願いしたみたい。
ライブの準備で忙しくなって、退院当日にお迎えするのが難しかったので、今日のうちに最後のお見舞いに行くことにした。
今日はレッスンもなかったというのに、鉛をつけたように足が重い。
あのあとしばらくして乃々ちゃんは目を覚ましたけれど、大事をとるように言われて明後日までレッスンはお休み。
ごめんなさい、と泣きながら謝る乃々ちゃんに私はなにも言えなかった。
あなたはなにも悪くないのに。
ほんとうに悪いのは──
そんなことを考えていると、病室の前に着いていて、息を吐く。
できればいまだけはあの婚約者の人はいませんように。
「プロデューサーさん。やっぱりまだ安静にしていたほうがよろしいのでは?」
中から女性の声が聞こえて、ドアから離す。
あの女の人じゃない、ちひろさんの声だった。
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