41: ◆GO.FUkF2N6[saga]
2017/12/29(金) 22:33:49.17 ID:owrWAVvd0
「……」
乃々ちゃんはしばらく考えていたあと、一瞬だけちらりと私を見て言った。
「この振り付け……まゆさんが考えてくれたんですよね」
「はい。そうですよ」
睡眠時間たっぷり削ってがんばったんですよ、と心の中で付け加える。
「まゆさんは……もりくぼにできると思いますか?」
「できます」
そんなことほんとはわからないのに、はっきりとそう言いきった。
「乃々ちゃんならできます。だって……まゆの育ててるアイドルなんですもの」
ぼーと私を見つめる乃々ちゃんを見てると気恥ずかしくなって、熱くなった顔をそらす。
「でもそんなこと気にしなくていいんですよ。乃々ちゃんがやりたくないなら別にやらなくても……」
「もりくぼは」
私の言葉をさえぎって、ぎゅっと両手をにぎりしめながら。
「もりくぼは、ほんとにだめだめで……このダンスもうまくできないかもしれないですけど……」
きっと彼女なりの葛藤があったんだと思う。
ほんとはやりたくない気持ちが少なくないだろうってことも、これまでの付き合いでなんとなくわかる。
それでも、いつもよりも弱弱しく震える声ではあったけれど。
「それでも……やってみようと、思います」
かすかに口元をほころばせて、たしかにそう言ってくれた。
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