20: ◆GO.FUkF2N6[saga]
2017/12/29(金) 13:01:49.58 ID:owrWAVvd0
「森久保。お前はいつまでそこで寝ているつもりだ。ライブまであまり時間がないんだろう。はやくレッスンの続きをやるぞ」
呆れたようなトレーナーさんの視線の先には、床に向かって女の子がぜいぜい息を吐いている。
「も、もう立てません……むりです、むーりぃー……」
トレーナーさんは大きなため息をついたあと、私を横目で見た。
「佐久間。お前は森久保のプロデューサーなんだろう。ぼけっとしてないでなんとかしろ」
「は、はい!」
森久保乃々ちゃんプロデュース生活六日目。
プロデューサー。
もう一週間くらいからかいも含めてそう呼ばれることがあるけれど、その度にむずむずしちゃう。
自分から名乗っておいてなに言ってるのって話かもしれませんけど。
それでもやっぱり、私にとってのプロデューサーはあの人だけだから。
「乃々ちゃん。あと一回やったら今日は終わりにしますから。もうちょっとだけがんばりましょう」
へたりこんでいる乃々ちゃんにしゃがんで手を差し出す。びくりと顔をあげて一瞬だけちらりと合った瞳は、すぐに逸らされた。
「は、はい……わかりました、まゆさん」
そう言ってそのまま目を逸らしながら、私の手を掴んで起き上がった。
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