キャプテン・アメリカ「ハンター試験……?」
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25:名無しNIPPER
2017/12/27(水) 14:13:41.47 ID:VScXlaJ10
キャップ「……君には話しておこう。重要なことだ」「ただし口外はしないでもらいたい」「彼ら三人にはいずれ話すつもりだ。だが……他言は無用。オーケー?」

クラピカ「……いいとも」

キャップ「僕の名前はスティーブ・ロジャース、そういったね」
キャップ「だがもう一つの呼び名がある。キャプテン・アメリカ。それが僕のヒーローとしての呼び名だ」

キャップ「(僕は自分の来歴について彼に話した。超人計画のこと。第二次世界大戦のこと。ヒドラとの戦い。時代との別れと一世紀越しの復活。アベンジャーズ。そしてシールドの崩壊後、突如こちらに送り込まれたこと……)」

クラピカ「……」

キャップ「信じがたいのはわかるがすべて事実だ。僕はそうした世界からこの世界に飛ばされてきた。そしてたまたまハンター試験に参加した」「参加に関して理由は複数あるが、この試験がこの世界において重視され機密扱いされていたためだ。世界を知るためにはまず暗部から踏み込むべきだろうと」「またアウトローが参加することで身分証を手にする機会だとも知ったからね」「さぞかし恐ろしい試験だろうとおもったら子供が参加してて面食らったけどね」
キャップ「おかげで少しずつこちらの常識を学べている。ここの試験官が僕をどう思っているかは知らないが」

クラピカ「……わかった。信じよう」「正直、話の内容はホラ話もいいところだ。君がこの世界を疑うのと同じくらい、こちらにも君の話を疑う余地がある」「緑色の巨人、神と呼ばれた宇宙人、超越的な科学力を持つ学者、そして……ヒーロー……」
クラピカ「だが、信じる」

キャップ「……」「なぜ?」

クラピカ「……あなたが嘘をつくとは思えないからだ」「あなたを狂人だとも思わない」「いままでの素行を鑑みるに、だ」

キャップ「ありがとう、クラピカ」

クラピカ「代わりと言ってはなんだが、私の話も聞いてくれないか」

キャップ「もちろんだとも。僕はキャプテンだからね」

クラピカ「……私はクルタ族という少数民族の末裔で、唯一の生き残りだ。いや、生き残りとなった……」

キャップ「(クラピカの話は想像を絶するものだった。彼はコンタクトレンズを外すと、自分の家族、親戚、友人に至るまで激しい拷問の末虐殺されたことを、真っ赤な瞳に怒りを宿し語り続けた)」
キャップ「(虐殺の凄惨さはヒドラの所業を通して痛いほどよく知っている。僕がかつて仲間とともに潜入し解放した収容所では、飢えのあまり仲間の遺体を齧る者すらいる始末だった。あの光景がまぶたの裏に蘇る)」
キャップ「(この世界にヒーローがいない理由がわかった。ここは憎しみだけが連鎖し続けてきた世界なんだ。そして、ゴンのように突発的な善良さが生まれては無垢なままに消えていく。そういう世界。ハンターという職種がそれを示している)」
キャップ「(ここに来るまで考えていたが、ハンターが良いものなのかどうなのか、僕にはわからなかった。だが一つだけ言えることがある)」
キャップ「(この世界にはハンターとは別な正しい行いが必要だ)」
キャップ「(……少なくとも、クラピカには必要だった)」



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