新しいデバイスを買いました
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2:名無しNIPPER
2017/12/26(火) 19:16:12.27 ID:8sAhxOqi0
まあ、伝説とは言っても、都内のとあるマンションに住む男子高校生と、その隣に住む同級生の女子の話なんですけどね。
ごく普通の生活を送っていましたし、特殊能力とかもなかったです。


3:名無しNIPPER
2017/12/26(火) 19:20:44.98 ID:8sAhxOqi0
幼い頃、女の子の方が人形を拾ってきたんですよ。
とある姫騎士の人形なんですけど、実はオリキャラらしくて、河川敷に落ちてたものを拾ってきたんですよ。
で、洋服も落ちてた時に着てたやつしかなかったので、女の子が自分で作って、着せ替えしてました。


4:名無しNIPPER
2017/12/26(火) 19:31:39.61 ID:8sAhxOqi0
ところで、隣に住む男の子は、普通に外でサッカーなり野球なりして近所の公園とかで遊んでたんですけど、問題は人形が男の子をどう思っていたかです。
実は、後で詳しく述べる通り、この人形は、動くことはできないのですが、心を持ってたんですよ。
ついでに言うと性別もあって、見た目通り女性なんです。
普通小学生くらいの男の子がこういう人形を目にすると、例えばプロレスごっこか何かをして、自分で作ったプラモか何かと戦わせたりするじゃないですか。
ところが彼は人形に対してそういうことはせず、普通に着せ替えをして遊んだり、時折自分で洋服を作ったりすることもありました。
以下略 AAS



5:名無しNIPPER
2017/12/26(火) 19:48:52.72 ID:8sAhxOqi0
そうこうするうちに月日は流れて、2人とも高校生になりました。
ちょうどその頃、男の子の方に、ある現象が起こるようになりました。
夜寝ている時に、枕元に謎の美少女が現れるようになったんですよ。
年代は男の子と同じくらいで、衣装はなぜかあの人形を拾ってきた時と同じだったんです。
夜中によく姫騎士コスをした美少女(以下「王女」と表記)に起こされる。最初は戸惑ってたんですけど、次第に打ち解けていきました。
以下略 AAS



6:名無しNIPPER
2017/12/26(火) 20:06:36.08 ID:8sAhxOqi0
順調に生活している男の子ですが、実は王女にはある悩みがあったんですよ。
王女のブーツは鋼鉄製なんですけど、それなりに露出があるとはいえ、全身鎧で包まれているため、それなりに汗をかいているんですけど、ブーツは通気性がない上に、ブーツの中は何も履いてないため、汗と熱気がこもってものすごい匂いがするんですよ。
どこかで「女の子の足が汗で蒸れていると男の子がドキドキする」っていう話を聞いたことがあって、王女はよくブーツを脱いでは男の子の鼻を足の親指と人差し指の間に挟んで指をむにゅむにゅ動かして遊んだりしてました。
男の子はドキドキしてましたし、それを見て王女も楽しそうにしてました。


7:名無しNIPPER
2017/12/26(火) 20:31:01.10 ID:8sAhxOqi0
そんなある日、男の子は王女に、ブーツを舐めさせてほしい、と頼んだんですよ。
そしたら、王女は残念ながらそれはできない、と答えました。
ブーツに顔を突っ込んで匂いを嗅ぐのはいいけど、舐めることだけは残念ながらできない、とのことです。
王女は、私のブーツには実は呪いがかかっていて、舐めることはできない、と言いました。そして、なぜ呪いをかけたかについて説明しました。


8:名無しNIPPER
2017/12/26(火) 20:44:43.64 ID:8sAhxOqi0
実は王女、数百年前のヨーロッパのとある小国の王女だったんですけど、辺境の山に住む水竜をも魅了する絶世の美少女と言われて、多くの騎士や貴族がブーツを舐めていたんですけど、あまりに多くの人が舐めるものだからブーツが汚れるため、悪魔と契約して呪いをかけてもらったため、それからというもの誰も舐めなくなったんですよ。
そうだったのか、と男の子が言うと、王女は自分の出自について話し始めました。


9:名無しNIPPER
2017/12/26(火) 21:23:43.90 ID:8sAhxOqi0
王女は、実は知略と剛勇を非常に高いレベルで両立させたハイスペックな人だったんですよ。で、しょっちゅう周りの貴族やら賢者やらが求婚に来たわけです。でも、国王はまだ王女は結婚するには若すぎる、と言って、保留にしておいたんです。
その頃、王女はよく城下町に遊びに行っていたのですが、そこである若い商人と出会いました。
とても真面目で、腕の立つ人だったんですけど、実は彼、王女が来ても、他の人と変わらないように、とても親しく接していたんですよ。
普通王女とかが来たら、みんなまず引き下がって跪いたりするじゃないですか。でも彼は王女だからといって特別扱いしたりせずに、一人の人間として見てたんですよ。今まで周りから姫様姫様言われ続けていた自分が、この人と一緒にいるとそういった負荷から解放されるんです。いつしか、その商人は王女にとって心のよりどころ的な存在になっていました。


10:名無しNIPPER
2017/12/26(火) 21:43:27.98 ID:8sAhxOqi0
で、国王(つまり父)にそのことを話したら、たいそう喜んで、国王も彼のことを気に入っていました。
でも、噂が城下町から城内に入って、何しろ数百年前の話ですから、一介の商人が王女と仲良くするのを好ましく思わない人も多く、求婚の声は増す一方でした。
噂を嗅ぎつけた国王は、この国の辺境の山に水竜が住んでいるから、彼を倒した者に娘をやろう、と言いました。というのもこの水竜、本気を出せばこの国よりちょっと大きめの国を滅ぼすほど強くて、みんなを諦めさせるためにこんな口約束を交わしていたんです。でも、実はこれ、悲劇の引き金だったんです。


11:名無しNIPPER
2017/12/26(火) 22:01:28.41 ID:8sAhxOqi0
実はこの水竜、商人および王女と非常に仲が良く、2人で山に遊びに行っては水遊びするような仲でした。
最初に水竜のもとを訪れたのは、とある名門の貴族ですが、彼が水竜にあなたを倒して姫様と結婚する、と言うと、事情を知らない水竜は、彼女には好きな人がいるから、身を引いてください、と言いました。
すると、水竜と彼らの仲を知らない貴族は、あなたは姫様の何を知っている、と言いました。すると水竜は、これまで彼らと過ごした思い出をいろいろ話しました。
これで彼らと水竜の仲を確信した貴族は、今度は商人に対して憎悪を感じるようになりました。何せ商人のクセに王女や水竜と仲良しなんですよ?とんだリア充じゃないですか。
それが噂となり、首都中に広まって、みんなが思ったんですよ、あの商人さえいなくなれば、と。


12:名無しNIPPER
2017/12/26(火) 22:24:27.02 ID:8sAhxOqi0
で、ついに事件が起こるわけです。
商人が貿易のため国外に出張している時に、野外のテント内にある騎士が忍び込んで、寝ている商人の背中を包丁で刺し殺してしまったんです。
その噂はあっという間に首都中に広まって、仲良しの商人が死んで、国王も王女も当然悲しみました。
しかし、悲しんだ国王がまず真っ先に誰に相談したのかと言いますと、実は水竜に話したのです。国王は商人&王女と水竜が仲良しなことを知らずに相談したのですが、まだ商人の死を知らない水竜に軽はずみに相談してしまった結果、水竜は精神が不安定になり、能力を暴走させた結果、全精力を使い果たし、その生命の灯火を国ごと消滅させました。王女はその魂を凝固させて人形になり、それが数百年後に日本の河川敷で女の子に発見されて、大事にされてきた、というわけです。悪魔と契約してブーツに呪いをかけてもらった王女の魂が具現化した人形だから「悪魔の人形」です。重ねて言いますが、「あ、熊の人形!」ではありません。


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