発明家「わざわざ未来から宿題を届けに来てやったぞ」
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20: ◆zJYORZSm4M[saga]
2017/12/27(水) 06:12:41.04 ID:8uCsFQgC0

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12月30日

山田「ちょっと根を詰め過ぎじゃないか? 少しは休憩を取らないと体に毒だぞ?」

夕子「詰めたくて詰めてるわけじゃねえ……。終わらないからやってるだけだ……」ハアハア

山田「だ、だがまだ1週間以上あるんだぞ? ほら、年末の面白そうな特番もやってることだし……」

夕子「あと1週間とちょっとしかない……だ。この量をこなすには、今のペースじゃ間に合わないくらいだ……」ハアハア

父「夕子、入るぞー」トントン

夕子「どうぞー……」カキカキカキカキ

父「最近は本当に頑張ってるな。どうだ? 今日くらいは羽を伸ばしてみんなで温泉にでも行かないか? 温泉の近くに美味しい店だってあるぞ? いいだろ、ケンちゃん?」ガチャッ

山田「いいですね! 是非行きましょう! ほら、行くぞ夕子!」

夕子「ごめんお父さん……。とっても行きたいんだけど、あたしには宿題があるから……。あたし抜きで行ってきて……」カキカキカキカキ

父「夕子……」

山田「……数時間のロスがなんだ! 帰ってから取り戻せばいいだろう!」

夕子「うるせえ! 今投げ出したら、今まで耐えてきたことが馬鹿みたいになるじゃねえか!」

山田「う……」

夕子「あたしは既にクリスマスパーティーを放棄し、友達の誘いを断り、雪遊びを諦め、見たいテレビだって我慢してきたんだ! 今温泉に行くということは、これまでのあたしの努力を裏切ることになるんだ!」

山田「そんなことは……ないと思うが……」

夕子「それにふさぎ込んでしまったあたしを救うために、あんたはわざわざタイムマシンを作り上げてここへ来た。あんたのことは大嫌いだが、その優しさを裏切ることもできない……」

山田「いや、ほんと俺のことは気にしなくていい……。というか俺のためを思うなら、すぐにでも温泉に行ってくれ。それにここまで勉強したんだから、全教科0点の大参事はすでに免れたと言っていいだろう。未来は変わった……」ダラダラ

夕子「いや、馬鹿なあたしはこの宿題を全てこなしてはじめて周りと同じになれるんだ! あたしは何としてもこの宿題をやりきる!」ゴオオオオオオオオ

父「夕子! 父さんは感動したぞ! 誘って悪かった!」

夕子「謝らなくていいよ。それよりもしあたしのせいで皆が温泉に行けなくなったら罪悪感を感じちゃうから、思いっきり楽しんできて」

父「ああ! 遠慮なんかせずに楽しんでくる! 正月だって楽しいことには一切お前を誘わない! 父さんたちだけで思いっきり漫喫する!」ポロポロ

夕子「約束だよ……!」スッ

父「ああ!」ガシッ


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