73: ◆z4l4K/HkZ2[saga]
2017/12/25(月) 01:07:31.14 ID:dJeYp2NG0
「……それで?諦めるような事を言ったのか」
「……私に手を差し伸べてくれたプロデューサーさんの足を引っ張ってしまうくらいなら……私は……自分の事は諦められます……」
74: ◆z4l4K/HkZ2[saga]
2017/12/25(月) 01:10:06.90 ID:dJeYp2NG0
彼女は今までどんな辛い目に遭っても、打ちのめされても諦めきれなかった夢を、俺のために諦められると言うのだ。
そもそものアイドルを目指した理由も他人を幸せにしたいという。
75: ◆z4l4K/HkZ2[saga]
2017/12/25(月) 01:12:45.00 ID:dJeYp2NG0
「良いんだ、ほたる」
「……え?」
「俺は、俺自身がほたるをプロデュースしたいと思ったから君をプロダクションに誘ったんだ。別に誰のためでもない、俺がそうしたいと思ったからだ」
76: ◆z4l4K/HkZ2[saga]
2017/12/25(月) 01:15:02.94 ID:dJeYp2NG0
「それに、もしほたると一緒にいて本当に不幸になるんだったら、今頃俺はプロデューサーなんてやっていられなかっただろう。俺たちが活動をスタートさせてから何か月経った?」
「……今日で、半年経ちました……」
「おお、もうそんなになるのか。この半年間、俺たちはずっと一緒だったじゃないか。レッスンの時も、仕事の時も、そして今日も」
77: ◆z4l4K/HkZ2[saga]
2017/12/25(月) 01:17:28.02 ID:dJeYp2NG0
「ほたるは違ったか?不幸だったか?辛かったか?」
「……!……そんな……そんな事ありません……!プロデューサーさんも、トレーナーさんも、みんな優しくて、私……本当に……幸せでした……!夢みたいに……!」
78: ◆z4l4K/HkZ2[saga]
2017/12/25(月) 01:20:22.51 ID:dJeYp2NG0
「ほら、もうほたるは周りの人間をひとり幸せにしてるじゃないか」
「だったらもうそれは立派なアイドルだ。恥ずべき事なんてどこにもない」
79: ◆z4l4K/HkZ2[saga]
2017/12/25(月) 01:23:56.09 ID:dJeYp2NG0
「……プロデューサーさん!この間受けたオーディション、受かりました……!」
「……おお!」
80: ◆z4l4K/HkZ2[saga]
2017/12/25(月) 01:26:13.36 ID:dJeYp2NG0
「いや、大事なことだぞ。普段から暗いだけなのと、普段は明るくて暗い演技が出来るってのじゃあ、意味が違う」
「ともかく、おめでとうほたる。初のオーディションで勝ち取った仕事だ!」
「はい……!貰った役……全力で取り組みます……!」
81: ◆z4l4K/HkZ2[saga]
2017/12/25(月) 01:29:13.51 ID:dJeYp2NG0
「プロデューサーさん、最近ほたるちゃん上達がすごく早いですよ。歌も、ダンスも」
82: ◆z4l4K/HkZ2[saga]
2017/12/25(月) 01:31:38.94 ID:dJeYp2NG0
「このままの推移で行けるなら……もうそろそろ本人にも話していいかもしれません。目標を持ってもらうのは大事ですし」
「……そうですね。今のほたるなら萎縮することもないでしょう。話してみます」
117Res/56.27 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20