喜多見柚「アタシにとっての奇蹟」
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16: ◆tues0FtkhQ[saga]
2017/12/25(月) 18:17:55.52 ID:WtWlSgcZ0


「お兄サンはどうしてサンタさんの帽子を被ってたの?」


 先に来た紅茶をかき混ぜながら、なんとなしに尋ねる。きっとお兄サンもアタシもお互いに聞きたいことだらけだ。


「スカウトたるもの、そこいらのキャッチと間違えられたらいけないからなぁ」


 コーヒーをすすりながらお兄サンが答える。最初に出会った時のぴりっとした顔つきはどこにいってしまったのか、おどけたような顔をしていて、髭をたくわえて笑うサンタクロースの姿がだぶって見えたような気がした。


「せっかくクリスマスイブだし、サンタ帽でも被ってたらそれっぽいだろう?」

「……お兄サン、面白いヒトだねー」


 その顔が面白くて、アタシはもう一度、笑った。お兄サンも、肩をすくめて笑っていた。


 それから先は、芸能界とか事務所とかの説明をしてくれて、アタシは良く分かんないながらもふんふんと聞いていた。そのお話は思っていたよりも現実的で、それでも十分アタシの知らない世界の話だった。これは面白そうだってアタシの心が告げてる。


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