メカ総理「ちょっと待って! ムリムリ! そんなキミみたいな大きいのは入らない!」
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24: ◆FLVUV.9phY[saga]
2017/12/21(木) 01:29:01.94 ID:Qq/dRLBao

 艶々と眩いばかりにきらめくご飯に、大き目の具がごろっと入ったややさらりとしたカレールーが掛かっている。
 ふんわりと仄かに香るニオイと色つやからそれがバターで軽く炒められたバターライスであることが窺えた。
 香ばしい匂いと光沢を放つバターライスに食欲を刺激するスパイスの香りを漂わせるカレー。
 香ばしいスパイスのニオイの中から仄かに香るブイヨンのニオイがそのカレーが欧州カレーであることを主張していた。
 ゆっくりと煮込まれて切り口が丸くなったニンジンに丁寧に面取りされたジャガイモ。
 そして何より目を引くのはやや肉厚なサイコロ状の牛肉。それはスプーンの先を押し当てるとそのまま沈み込むほどに柔らかかった。

 太陽の光を浴びて光沢を返すスプーンでカレーをそっと掬う。
 その手は微かに震えていた。
 何故か、そのカレーがあまりにもおいしそうだったからか?
 いや違った。その手が震えていたのは、彼女ビッキー・トウジョウが甘党だったからだ。
 折角の手作り料理を自分が辛いものが苦手というだけで拒否することが出来ようか、いいや出来まい。

 意を決して、唾を飲み込み、掬ったカレーを口へと運ぶ。
 香ばしさとブイヨンが香るカレーの香りからそう特別辛いものでない事は分かる。
 だが、それ以上に彼女は辛いものが苦手なのだ。
 ビッキーにとってカレーは好物の一つではある。が決して外食で食べようとはしない。
 それは外で食べるカレーは彼女にとって辛すぎるからである。

 目を瞑り、襲い来るであろう辛味に備えつつ一口食した。


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