【ミリマス】メタフィクションとの狭間だぞ琴葉
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21: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/12/20(水) 14:38:54.99 ID:duWisrhGo

琴葉「それに"声"を持たないこの文が、アナタの心にどれだけ届くかも分からない」

琴葉「罪を犯した者が淡々と、胸の内を吐露しているように思えますか?」

琴葉「それとも嵐が木々を騒がすように、訴える私の姿が浮かびますか?」

琴葉「もしかすると、今の私は我が子を抱いた母のように、穏やかな微笑みをたたえて話しているかもしれませんよ?」


琴葉「……分からない。分からないんです」

琴葉「だから……ごめんなさい。『ごめんなさい』なんです」


琴葉「そんな私の出番が着々と、もう一度現実の物になりそうで」

琴葉「気づけば、こうして手の届きそうな場所に当然のように置いてあって」

琴葉「しかも、一方ではホッと嬉しい自分もいて」

琴葉「弱音を吐いて、心配させて、長い間ずっとやきもきさせて」

琴葉「そんな風にまだまだ待たせている人達から、こうして形にしてもらって」



琴葉「今すぐ『ありがとう』の声一つ、アナタに届けられない癖に」

琴葉「アナタの劇場で『おはよう』と、笑顔も向けられない癖に」

琴葉「そんな私が今ここで、一人の少女のデビューを妨げようとしてる」



琴葉「……そんなの許されていいのかな?」

琴葉「このまま誰も歯牙にかけず、大して競り合うこともなく」

琴葉「まるで予定調和のように役が与えられたとして」


琴葉「……それは正しいことですか?」


琴葉「答えて、欲しいんです。私の悩みを、不安を取り除き」

琴葉「いつものように道を示し、私を導いて欲しいんです」

琴葉「それで、結果として、人から『やっぱり琴葉は重いな』って」

琴葉「言われても、笑われても、からかわれたって別にいいっ!」

琴葉「……だって、だって私は、……アイドル、田中琴葉は――」

琴葉「それだけ、それほど、アナタがいなくちゃ……ダメ……だから」


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