42:名無しNIPPER[saga]
2017/12/24(日) 20:27:35.99 ID:q3nwKlWao
*翌日・海岸前
風「いやー、慰安旅行もあっと言う間だったわねー」
美森「風先輩。家に帰るまでが旅行です」
風「遠足かい!?」
千景(送迎の車が来たため、勇者部一同は一日を過ごした綺麗な海辺を最後に眺めていた。……正直、海に遊びに来ることなんてことは縁遠く、増してやそれを楽しめるなんて思ってもいなかった。……それもきっと、このメンバーだからなのでしょうね)
夏凜「どうやら千景も楽しめたようね。……実は私もよ」
千景「……お互い本来海には縁がなかったのでしょうけれど、不思議なものね」
夏凜「? 海なら、アタシは毎日素振りをしに行っているわよ?」
千景(……やはり三好夏凜は若干世間知らずのようだった。まぁ、それも個性だろうし、素性を考えれば仕方のないことではあるか)
友奈「……」
友奈「私たちはこの綺麗な景色を、守ることができたんだね……」
千景「……ええ、そうよ、結城さん。あなたたちが守ったのよ」
千景(静かに、感慨深げに呟いた結城さんの言葉に私は同意した)
友奈「ぐんちゃんも、だよ」
千景「……?」
友奈「あなたたちの中に、ぐんちゃんも、ちゃんと入れてあげてね?」
千景「……そう、だったわね……」
千景(私は結城さんから目をそらし、目の前の海へと視線を逃がしてしまう。……純粋な彼女の言葉は重く、だからこそ、自身の知っている未来があまりにも足枷だった)
風「ほらー、あんたたち。さっさと乗りなさい。置いていくわよー?」
千景(……去り際、車の中から見た景色も、先ほどと同じく、鮮やかでとても綺麗な色の海だった)
千景(こうして、穏やかな一泊二日の勇者部の慰安旅行は幕を閉じ、そして──)
千景(延長戦が、始まる)
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