【ミリマス】のり子「求ムVS マイ・リーズン」
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3:名無しNIPPER[sage saga]
2017/12/19(火) 02:43:07.98 ID:gG3V5o6J0
「さよちんが大変!」という海美からのメッセージがアタシの携帯を震わせた。見るや否や、アタシはバイクのエンジンキーを手にとって家から出ていた。海美の言葉だけじゃ何が起きているかわからない。でも、駆けつけなければならない。
劇場までの道すがら、何が起きているのか頭の中でぐるぐる考える。一番安心できる事態は、誰かが紗代子の鯛焼きを食べちゃってその火消しを押し付けられているパターン。
逆に安心できないパターンは…、考えるのはやめよう。とにかく今は駆けつけるべき。
アタシが間違えて事故など起こさないように安全運転は忘れずに。
4:名無しNIPPER[sage saga]
2017/12/19(火) 02:44:49.51 ID:gG3V5o6J0
劇場の控え室のドアを開けると、みんなの視線が一瞬でアタシに集まった。正座している莉緒さんとこのみさん。ふたりの前に、笑顔なのに、なんでかすっごい怖い雰囲気をまとっている歌織さん。ソファで体育座りしている涙目の環に、懸命に慰めている海美。
そして、そして、今まで見たことがないにやけ顔で、ふらふらと踊っている紗代子。
え?え?何この状況?アタシが予想していた事態にはどれも似ていなくて、呆然としたアタシはドアノブを握ったまま立ち尽くしていた。
5:名無しNIPPER[sage saga]
2017/12/19(火) 02:46:09.66 ID:gG3V5o6J0
紗代子 「あ!のり子さんだ!」
アタシを見つけた紗代子がすっごい嬉しそうな顔をして近寄って来た。…と、思ったら全く止まる気配がなくてそのままアタシの胸にダイブ。戸惑うアタシと頬を桃色に染めている紗代子。何この状況!?何この状況!?
海美 「のりさん!来てくれたんだ!」
6:名無しNIPPER[sage saga]
2017/12/19(火) 02:47:03.85 ID:gG3V5o6J0
紗代子「のり子さん、私のこと嫌いなんですか?」
えぇ、どうしよう。助けを求めて海美を見ると「ハグして、ハグ」と小声で囁いてくる。
のり子「…おいで、紗代子」
7:名無しNIPPER[sage saga]
2017/12/19(火) 02:48:04.51 ID:gG3V5o6J0
海美 「ええとね、話すとちょっと時間かかるけどね」
小一時間前
環 「レッスン楽しかったぞー」
8:名無しNIPPER[sage saga]
2017/12/19(火) 02:49:11.35 ID:gG3V5o6J0
歌織 「海美ちゃんは元気ね。私も見習わなくちゃ」
環 「冷蔵庫にジュース入ってたー。ふたりも飲むー?」
紗代子「ありがとう、環ちゃん。手伝おっかー?」
9:名無しNIPPER[sage saga]
2017/12/19(火) 02:49:59.62 ID:gG3V5o6J0
環 「おまたせー」
歌織 「ありがとう環ちゃん。とっても偉いわ」
環 「くふふ。どういたしましてだぞ」
10:名無しNIPPER[sage saga]
2017/12/19(火) 02:51:13.62 ID:gG3V5o6J0
環 「環も飲もー」
歌織 「それじゃあ私も…?…!待ってふたりとも」
環 「どうしたの!?かおり?」
11:名無しNIPPER[sage saga]
2017/12/19(火) 02:52:20.54 ID:gG3V5o6J0
海美 「っていうわけ」
のり子「何してるの!?莉緒さんもこのみさんも!?」
このみ「返す言葉もありません」
12:名無しNIPPER[sage saga]
2017/12/19(火) 02:53:22.15 ID:gG3V5o6J0
紗代子「のり子さん温かいです」
ああ、そんなにぐりぐり頭を擦りつけないで、変な気分になっちゃうじゃん!
海美 「のりさん、さよちんを任せたよ。私は環を元気にするから。ね?環、いつまでも落ち込んでないで外に遊びに行こう?一緒に石切りしよっか?それともアスレチックまで行く?うん、行こっか。じゃあ、のりさんどうにか任せたよ」
13:名無しNIPPER[sage saga]
2017/12/19(火) 02:54:33.66 ID:gG3V5o6J0
紗代子「のり子さん、こっち向いてくださいー」
紗代子の声で思わず、顔を向ける。近づいてくる紗代子の顔。眼鏡の向こうで潤む瞳。今にも触れ合いそうな唇。
のり子「って、危な!」
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