【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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98:名無しNIPPER[saga]
2018/01/07(日) 18:36:45.71 ID:ZtE3BbpK0

「よく、わかんないグリ……でも」

 そんな中、一番最初に我に返ったのは、ブレイだった。

「……とりあえず、受け取るグリ! 勇気のロイヤルブレスグリ!」

「!? しまっ……」

 そう。その瞬間こそ、まぎれもないチャンスだったのだ。ゴーダーツが慌てた声を上げるがもう遅い。ブレイが投げたロイヤルブレスは放物線を描き、再びそれを装着すべき人間の手に収まったのだ。

「……ごめんね、ブレイ」

「いいグリ。ブレイは、ゆうきを信じてたグリ」

 ロイヤルブレスを腕に装着する。ほんの一時間くらいつけていなかっただけなのに、なぜか懐かしい感じがした。心の底から、力が湧いてくるような気がした。

「受け取るグリ! 勇気の紋章グリ!」

 薄紅色の光がブレイから放たれる。その光はまっすぐにゆうきへと向かい、その空いた手に収まり、形を成す。

 勇壮なる、翼を持つ獅子。

 勇気を象徴する神獣、グリフィンの力。

「わたしはもう……迷わない!」

 流れるような動作で、勇気の紋章をロイヤルブレスへと差し込む。

 そして、ゆうきは叫んだ。


「プリキュア・エンブレムロード!」


 激烈な光が、色が、ゆうきの身体を包み込む。

 それは温かく優しい光。けれど苛烈で、たしかな力を感じる、圧倒的な力の光。

 ゆうきの身体を取り巻くその光は、やがてゆうきをリボンのように覆っていき、衣装へと姿を変える。

 胸元のリボン。フリフリのフリルスカート。ショートブーツ。

 薄紅の光が、ゆうきの姿を変えていく。

 そして、その光が炸裂する。

 はるか上方より轟音を立てて大地に降り立つ。

 それはすでに、ゆうきであってゆうきではなかった。


「立ち向かう勇気の証! キュアグリフ!」


 勇猛なる桃色の光が舞い上がり、散った。



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