【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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名無しNIPPER
[saga]
2018/05/13(日) 22:05:24.94 ID:sptbJ6v70
「あっ……その、蘭童さん」
「なんだい?」
振り返る。あきらは、おずおずと、ためらうように言った。
「ご迷惑なのはわかっています。けど、これからも、詩を見てもらってもいいですか?」
「……なぜだい? ぼくから教えられることはもうないよ」
「そうかもしれません。でも、蘭童さんに見てもらいたいんです。それから……」
あきらは、頬を赤く染めながら。
「……もしよかったら、蘭童さんの歌も、また聞きたいな、なんて」
「…………」
彼は押し黙ったまま、あきらを見つめた。その心の情熱は計り知れない。なにせ、悪辣なるものすべてを燃やし尽くす、あの炎を扱いきるほどの情熱だ。
是非もない。
今までは気まぐれであきらに付き合っていただけだ。これ以上関わるのは彼の矜持が許さないし、何より仲間や上司に立つ瀬がない。現実問題として、朝にやるべきダイアナ学園の主事としての仕事にも関わってくる。
しかし。
「……いいよ。毎日は難しいが、この曜日なら、毎週大丈夫だ」
「本当ですか!? わっ……す、すごく嬉しいです。ありがとうございます」
「……べつに」
それだけ言うと、彼はその場を後にした。
それ以上そこにいたら、どうにかなってしまいそうだったから。
(……ッ、なんだ、この気持ちは)
彼は、愛用の剪定はさみを見つめる。それは、彼にとって、きっと大切だったものだ。
記憶がない過去、きっと己は、このはさみを大事に、大切に、使っていたのだ。
(ぼくが何者だったかなんて関係ない。ぼくはロイヤリティのようにこのホーピッシュも破壊する。それだけだ)
それなのに、なぜ。
(――なぜ、こんなにも、心がざわつくんだ……!)
世界はままならない。闇が光を侵食するにつれて、光が闇を包み込む。
希望の世界ホーピッシュにおいて、闇と光が交錯し、すべてが新たな局面へ向かおうとしていた。
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