【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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542:名無しNIPPER[saga]
2018/05/13(日) 21:49:56.53 ID:sptbJ6v70

…………………………

「あきらの様子がおかしい」

「え……?」

 親友からの唐突な言葉だった。朝、HR前の教室で、郷田先生との熾烈を極める剣道の稽古で疲れ果てているめぐみにそう言ったゆうきの顔は、心配げでもあり、不満げでもある。

「一体どうしたのよ」

「どうしたもこうしたもないよ。昨日あきらにふたりで帰ろうって言ったら、『今日は用事があるの』って断られちゃったの」

「……それがどうかしたの?」

 ゆうきの鼻息がどんどん荒くなっていく。めぐみはそろそろついていけなくなりつつあるのだけれど、そんなことにゆうきは気づきそうにない。

「何かあるのって聞いたら、なんか口ごもっちゃって!」

「はぁ」

「教えてくれなかったんだよ!」

「話したくないことだってあるでしょう」

「それだけじゃないんだよ! 昨日の朝、すごく早く学校に来たみたいなの!」

「へぇ」

「しかも中庭で何かをやっていたって目撃証言が!」

「そんな情報をどこで手に入れてくるのよあなたは」

「演劇部の朝練があったユキナと有紗!」

「わかっていたけどね……」

 めぐみはいい加減疲れて来たけれど、ゆうきの言葉はまだ止まりそうにない。めぐみは先んじて口を開いた。

「朝早く来て中庭でボーッとしていたいときもあるんじゃないかしら。うちの中庭は、主事の蘭童さんのおかげでキレイなイングリッシュガーデンになっているわけだし」

 ここ最近、昼休みや放課後に中庭で談笑をする生徒が多くなっている。それは間違いなく、主事の蘭童さんがきれいに整備したおかげだろう。少し前まで何の変哲もない木々に囲まれただけの中庭だったというのに、蘭童さんが整備した途端にそれはそれは美しい庭園になりつつあるのだ。

「そうかもしれないけどー!」

 そんなゆうきの様子に、めぐみはほぅとため息をつく。

「あなたって結構嫉妬深いのね。わたしが同じようなことをしても、そんな風に言ってくれるのかしらね」

「? なんか言った?」

「なんでもないわ。それで、あきらのことが心配なのね。ゆうきは」

「うん。あきらはいいこだから、変なことに巻き込まれていないかなって……」

「あなたって本当にお節介なお母さんみたいね」

 もちろん、それがゆうきの良いところでもあるのだけれど。



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