【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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505:名無しNIPPER[saga]
2018/04/22(日) 20:56:05.51 ID:TS+ShyS90

…………………………

「……ふぅ」

 やがて光が収束すると、その場には大量の作品が積み上がっていた。

「……す、すごいことになってるね」

「いつも通り、ホーピッシュに位相が戻れば元通りでしょ」

 ユニコの言葉は、色々とスレスレだ。

「あれ、でも……なんか、世界が元に戻らないね」

「……? 本当ね」

 グリフは周囲を見渡す。世界は真っ暗でモノクロのままだ。いつもならば、ウバイトールを倒せば世界は戻る。なぜ戻らないのだろう。

「……ん?」

『ウ、ウバ……!』

「ああー! ウバイトールがまだ残ってるー!」

「ええっ!?」

 グリフは、木の陰にかくれ、こちらをチラチラと見ているウバイトールを見つけた。

「ん……? あ、あのウバイトールって……」

 そのウバイトールは、グリフにとってとても見覚えがあるものだった。

「わ、わたしの作品!?」

「……そうみたいね」

『ウバ……ウバ……』

「……? 何かしら? 何かを言いたいみたいね」

『ウバ……先生、好き……』

「……!?」

 一瞬、ふたりは耳を疑った。

『松永、先生……好き……ウバ……』

「……ああ。そういえば、ウバイトールって、そのものに込められた欲望によって戦うのよね」

 ユニコがさらりと言う。

「つまり、ゆうきの恋慕の気持ちが、あの作品に込められていて、その気持ちによってあのウバイトールは具現化したのね」

「ち、ちょっとやめてよ! さらっと解説しないでよ! 恥ずかしいよ!」

『……好き……ウバ』

「あれを放っておく方が恥ずかしくないかしら?」

「わぁああああああああああ!」

 グリフは顔を真っ赤にしながら、そのウバイトールに向け駆け出した。

『ウバ!?』

「あ、こら、逃げるな! 今浄化してあげるから……って、だから、逃げるなぁあああああ!!」

『先生のこと、好き、ウバ……』

「だぁあああああああ!! 段々わたしに声に近くなってきてるー!? 」

 グリフがカルテナでそのウバイトールを浄化するまで、しばらくその鬼ごっこは続いた。



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