【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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431:名無しNIPPER[saga]
2018/04/01(日) 10:16:09.79 ID:TVNRAefO0

「この光は……ッ!」

 ダッシューが目を覆いながら、叫ぶ。

「憎らしい! 恨めしい! この光は、情熱の国の光! 情熱を表す紅蓮の光! 情熱を失ったロイヤリティの王族の分際で、どうしてこの光を持つことができるッ!」

「あきらがパーシーに教えてくれたからドラ! パーシーはもう迷わないドラ! パーシーは……ロイヤリティを救い出し、愛すべき臣民たちを取り戻すドラ!」

「臣民を捨て、逃げ出した分際で、何をッ!」

「ちゃんと謝るドラ! あなたに奪われたエスカッシャンも取り戻し、その上で、しっかりと説明するドラ! パーシーはもう、言葉を紡ぐことを、怖がらないドラ!」

 パーシーから光が放たれる。その光は、まっすぐあきらの左手へ向かう。そして、その紅蓮の光はあきらの左手首の上でカタチを成す。それは、真紅の美しい腕輪だ。

「それが情熱のロイヤルブレス、ドラ。そして、これも受け取るドラ! 情熱の紋章ドラ!」

「わっ……!」

 もうひとつ、パーシーから放たれた光を、あきらは右手で受け取った。熱いくらいに暖かいその光は、小さなプレートになる。

「これが、情熱の紋章……」

 それは、情熱を表す神獣ドラゴンをかたどった紋章だ。左手のロイヤルブレスと右手の紋章が、あきらの熱い心を、もっと熱くしてくれているようだった。

「っ……! 生まれるというのか、情熱のプリキュアが……!」

 ダッシューがうめく。しかし、ロイヤリティの光を直視できないのだろう。手で目を覆ったままだ。

「叫ぶドラ! 伝説の戦士の宣誓を!」

「……うん!」

 あきらは、まるで最初からわかっていたことのように、自然な動作で、ロイヤルブレスにプリキュアの紋章を差し込んだ。

 そして、やはり最初から知っていたことのように、戦士の宣誓を、叫ぶ。



「プリキュア・エンブレムロード!」



 天に届かんばかりに、紅蓮の光が炸裂した。その光の中にあって、熱いほどの光を浴びながら、あきらは自分自身が姿を変えていくのを感じた。炎は髪飾りとなり、耳飾りとなり、グローブとなり、衣装となる。

 そして、天高くから、まるで飛竜のように、伝説の戦士が舞い降りた。





 戦え。その情熱を示すために。

 戦え。世界に光を取り戻すために。

 戦え。誇りを取り戻すために。



 さあ、名乗れ。その名は――、



「燃え上がる情熱の証! キュアドラゴ!」



 炎が爆ぜ、情熱の戦士の誕生を祝福した。



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