【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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名無しNIPPER
[saga]
2018/02/11(日) 18:28:22.16 ID:Vt5kauhK0
「ゴドー、あなた……!」
「あら、その子気を失っちゃったの? あっはは、すごい剣幕だったのに、呆気なーい」
「関係ないともえちゃんを巻き込んで! 私はあなたを絶対に許さない!」
ボン! とカバンの中からフレンが飛び出す。
「フレンも同感ニコ!」
と、
「……あら?」
ゴドーがめぐみから目をそらす。ウバイトールの後ろ、そこにひとりの人影があった。
「とも、え……?」
気を失ったともえとそれを支えるめぐみ。それを呆然とした顔で見つめるのは、肩で息をするゆうきだ。
「ともえ!」
ゆうきは大声をあげ、でウバイトールがいるのも構わずその横を駆け抜け、めぐみの傍らに滑り込むように座り込んだ。
「王野さん……」
「ともえ! ともえ!」
血相を変えるゆうきに、心がキシキシと痛んだ。
「今は気を失っているの。ごめんなさい、私がついていながら――」
「ゴドー」
ゆうきからゾッとするような声が発せられた。ゆうきの耳には、めぐみの声すら届いてはいないのだ。
「どうして関係ないともえを巻き込んだの?」
めぐみが初めて見るゆうきだった。
(ああ、そっか。私、勝手に仲の良い友達になったつもりでいたけど) めぐみは、傍らのゆうきを見上げながら。(王野さんのこと、まだ何にも知らないんだ)
めぐみの横にいるゆうきは本当にゆうきなのか。めぐみにも痛いくらい感じられる、とてつもない怒りを発露するゆうきが、あの優しいゆうきなのか。
めぐみが未だかつてみたこともない怒りの感情。これがもし、ゆうきの一面なのだとしたら、とめぐみは思う。
「ゴドー!!」
めぐみは果たして、本当にゆうきの友達といえるのだろうか。
「大埜さん。行くよ」
「あ……え、ええ!」
静かな怒りを含んだゆうきの声に、めぐみは反射的に立ち上がっていた。普段のゆうきらしくない雰囲気に怯え、戸惑いながら、めぐみはゆうきと共に叫んだ。
「プリキュア・エンブレムロード!」
暗闇に満ちた世界に光が射す。天空より舞い降りるふたりの伝説の戦士は、邪悪な欲望を打ち払うべく、ゴドーと対峙する。
(私……)
けれど、ようやく変身できたというのに。
キュアユニコ――めぐみの心に指すのは不安だけだった。
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