【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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260:名無しNIPPER[saga]
2018/02/11(日) 18:28:22.16 ID:Vt5kauhK0

「ゴドー、あなた……!」

「あら、その子気を失っちゃったの? あっはは、すごい剣幕だったのに、呆気なーい」

「関係ないともえちゃんを巻き込んで! 私はあなたを絶対に許さない!」

 ボン! とカバンの中からフレンが飛び出す。

「フレンも同感ニコ!」

 と、

「……あら?」

 ゴドーがめぐみから目をそらす。ウバイトールの後ろ、そこにひとりの人影があった。

「とも、え……?」

 気を失ったともえとそれを支えるめぐみ。それを呆然とした顔で見つめるのは、肩で息をするゆうきだ。

「ともえ!」

 ゆうきは大声をあげ、でウバイトールがいるのも構わずその横を駆け抜け、めぐみの傍らに滑り込むように座り込んだ。

「王野さん……」

「ともえ! ともえ!」

 血相を変えるゆうきに、心がキシキシと痛んだ。

「今は気を失っているの。ごめんなさい、私がついていながら――」



「ゴドー」



 ゆうきからゾッとするような声が発せられた。ゆうきの耳には、めぐみの声すら届いてはいないのだ。

「どうして関係ないともえを巻き込んだの?」

 めぐみが初めて見るゆうきだった。

(ああ、そっか。私、勝手に仲の良い友達になったつもりでいたけど) めぐみは、傍らのゆうきを見上げながら。(王野さんのこと、まだ何にも知らないんだ)

 めぐみの横にいるゆうきは本当にゆうきなのか。めぐみにも痛いくらい感じられる、とてつもない怒りを発露するゆうきが、あの優しいゆうきなのか。

 めぐみが未だかつてみたこともない怒りの感情。これがもし、ゆうきの一面なのだとしたら、とめぐみは思う。

「ゴドー!!」

 めぐみは果たして、本当にゆうきの友達といえるのだろうか。

「大埜さん。行くよ」

「あ……え、ええ!」

 静かな怒りを含んだゆうきの声に、めぐみは反射的に立ち上がっていた。普段のゆうきらしくない雰囲気に怯え、戸惑いながら、めぐみはゆうきと共に叫んだ。

「プリキュア・エンブレムロード!」

 暗闇に満ちた世界に光が射す。天空より舞い降りるふたりの伝説の戦士は、邪悪な欲望を打ち払うべく、ゴドーと対峙する。

(私……)

 けれど、ようやく変身できたというのに。

 キュアユニコ――めぐみの心に指すのは不安だけだった。



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