鞠莉(16)「留学してそろそろ半年ね……」
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18:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 12:36:26.64 ID:nZJI/gt30


ことり「やっぱり〜! 似合うよ鞠莉ちゃん!」


―――やっぱり、鞠莉はこういうの似合うと思ったよ。


鞠莉「……っ」

いつの日か、姿見の前ではしゃいだことがあった。

これが「きんぱつびじょ」ってやつだね、なんて訳の分からないことを言いながら、果南はにこにこと笑っていた。



鞠莉「ちょっと可愛すぎないかしら」

ことり「そんなことないよぉ! 黄色い花も多いし、髪にも合うと思ったんだぁ」


―――ほ、ほら、ここに差し色を入れてみましたのよ。鞠莉さんの髪に合うと思って……ど、どうでしょうか……。

―――んふっ、ダイヤ緊張しすぎ!

―――だ、だって!


鞠莉「……」

初めて友達に衣装を着てもらったというダイヤは、決して目を合わせてはくれなかった。

そのくせ頬を染めながら、ぺらぺらと細部まで説明してくれるのだ。



ことり「……」

ことり「鞠莉ちゃん、こういうの着慣れてる?」

鞠莉「え、ど、どうして?」

ことり「うーん、なんだか負けてないな、って思って」

鞠莉「服に?」

ことり「うん。昔何かやってた? ダンスとか、バレエとか、それともスクールアイドルとかっ!」

鞠莉「……っ」


いたずらっぽく笑うことりさんの言葉に、胸が苦しくなった。

スカートの造花が急に色を失っていく。

鏡に映る私が、ひどくしょぼくれて見えた。

これじゃあ、こんなんじゃ、きっと。





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