88: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 01:13:30.86 ID:Qezuh/qr0
―― 熊本上空 空中座敷
「――そして生まれたのが、菜帆じゃ」
お爺ちゃんは眠る菜帆ちゃんを指差して言います。
彼の娘――つまり、菜帆ちゃんのお母さん。
彼女は人里に降りて一人の男性と出会い、そして恋に落ち、一緒になったとお爺ちゃんは語りました。
狸界でも賛否両論あるとかないとか言われる、人間との結婚。それは本当にあったのです。
……って、けどやっぱりアリなんでしょうか!? 色々と!?
いや実例があるんだから納得するしかないんですけど、でもでもなんか!
「わしはそれが許せん。菜帆はもぞか(可愛い)子じゃが、我が子を奪いおった人間は話が別じゃ!
そもそも、狸と人間は深く関わってはいけんのじゃ! なのに人に惚れるなどとは言語道断っ!!
わしは娘を奪った人間を許せん! 然るに人と交わり、人を好むお前も許すわけにはいかんっ!!」
確かに、それは狸側の立派な言い分なのかもしれません。
親なりの哀しみもあったんだと思います。
でも……だけど、そんなの。
「そんなの、狸の勝手じゃないですか!!」
150Res/122.01 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20