17: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 00:09:59.71 ID:Qezuh/qr0
横合いから、まだ温かい蜂楽饅頭を差し出す手が。
「ごめんなさい〜、私が家族の分までまとめ買いしちゃったから〜……。けどまだ温かいから、きっとおいしいですよ〜」
私と同い年くらいかなぁ……?
なんだかのんびりゆったりした、見ていてほっとするような子が立っていました。
「君は……? いや、それは悪いよ」
「そんなことないですよぉ。むしろ、私が悪いことしちゃったみたいで〜」
?
と、見てみてびっくり。
「お饅頭、家族の分までまとめ買いしちゃってて〜……。私がその子のまで取っちゃったようなものですからぁ」
「あらあらー……お饅頭に色んな和菓子に、なんやお祭りみたいどすなぁ」
蜂楽饅頭の他にも、「香梅」の陣太鼓に武者返し、「福田屋」の福迎え餅、「二つ茶屋」のみたらし団子やetcetc……。
和菓子フルコースみたいなたくさんの紙袋を、彼女は当たり前のように提げていました。
「私って和菓子が大好きで、うちの家族もみ〜んな同じなんですよ〜。だから一つや二つくらい、どうってことありませんから〜。ささ、どうぞどうぞ〜」
「むぅ……抗いがたき女神の誘い。血の歓びを分かち合おうぞ……!」
(訳:それじゃあ遠慮なく! いただきまーっす!)
「…………おいしい〜〜〜〜っ!」
(訳:魔力が満ちる時! 蜜蜂の宝玉が輝かしき福音をもたらしているわ!)
「蘭子ちゃん、逆逆!」
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