高垣楓「キスマーク」
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2017/12/15(金) 17:49:18.54 ID:q/MTrf4E0
「……ふふ」


 それに嬉しくなる。

 暖かい。心地いい。とてもとっても幸せ。

 プロデューサーを感じられて……。染みてくる。伝ってくる。私の中へ入ってくる。そうしてプロデューサーを感じられて嬉しくなる。


「……」

「……」

「……楓さん」

「ん……?」

「すみません」


 抱き締められて撫でられて。前も後ろも、外も中も、全部でプロデューサーを感じて幸せで。そんな心地をじっくりと噛み締めるようにして浸っていた私の耳へプロデューサーの声。

 わざと囁くようにした私のそれとは違う。震えているけれど囁くのではなく、ただただ小さくか細い声。普段のプロデューサーから送られるものとは違うそれが、私の耳へ。


「……」

「……」

「……がぶ」


 甘噛み。

 それまでキスを落としていたそこ。軽くそっと触れるキス。痕を残すような吸い付くキス。いろいろなキスを注いでいたその首元へ、甘噛みを。

 がぶ、と。痕は残らない。一瞬浮かんですぐに消えるくらいの淡い強さで噛み付く。がぶがぶ、と何度か続けて。


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