134: ◆PChhdNeYjM[saga]
2017/12/15(金) 23:28:37.17 ID:Q/I672qDO
男「……うーん」
善子「あっ……」サッ
男「……君、この間の」
善子「……ええ」
善子(やば……咄嗟にポケットに隠しちゃった)
男「ああ……鞄の中身、拾ってくれたのか」
善子「あ、うん。一応ね……」
善子(気付かれては……ないわね)
男「……いった」ズキズキ
善子「昨日も飲んだんでしょ。ちょっとそこに座ってなさいよ」
善子「水……買ってくるから」
――――――
――――
――
男「君さ……どうして僕に構うんだ?」
善子「なんでかしらね……特に理由はないわ」
善子「ただ……アンタ、昔の誰かさんに似てるのよ」
男「……彼氏さんかい?」
善子「まさか。彼氏なんて、生まれてこのかた……ゴホン」
善子「部活動の……先輩。アンタ、その人に雰囲気がよく似てるわ」
男「へえ、随分と頼りない先輩だね」
善子「そうね。全部自分で抱え込んで、抱えきれずに潰れてしまう」
善子「そのくせ、変に気配りできるんだから……危なっかしくて、放っておけないったらないわ」
善子「……それでも、私を救ってくれた恩人だから」
男「救った?」
善子「捨てるはずだった大切なものを……捨てなくてもいいって、好きなままでもいいんだって」
善子「燻っていた私の背中を、押してくれた人だから」
善子「だから……感謝してる」
善子「――なんて、本人の前では絶対言ってあげないけどね」
男「……感謝の気持ちは、ちゃんと伝えるべきだよ」
善子「は?」
男「いつまでも伝えずにいると、後悔ばかりが募って……やがて破綻する」
善子「……アンタ、何かあったの?」
男「……別に」
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