佐藤心「アホ毛?」小日向美穂「『ドリーミン・アーチ』ですっ」
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80:名無しNIPPER[saga sage]
2017/12/24(日) 23:31:29.44 ID:Tb36Fdbuo

 先日見た宣材写真では、確かに美穂のアホ毛はなくなっていた。

 しかし、今はあのミニライブの時のようにはっきりと存在感を示している。

「間に合わなかった……?」

 心は力なくつぶやいた。

 そこに、『しゅがーはぁと』がテンション高く割り込んでくる。

<宿主の精神状態次第で休眠したり潜伏したりもするってわけよ☆ アホ毛なんて副作用でしかないから、見た目じゃどうなってるのかわかんないんだよね☆>

 さっきから続いている頭痛とは別に、胸がぎゅっと締め付けられるように苦しくなった。

<逆に言えば、アホ毛があるからって同類とは限らないんだけど、あのアイドル力は間違いないな☆ まるでデビューの頃のはぁとを見てるみたいだし☆>


 ステージ上には再び九人のアイドルが立ち、次の曲が始まった。

 人数が多くても、立ち位置は端の方でも、美穂のパフォーマンスは目を引いた。

 はにかむような笑顔を絶やさず、伸びやかな動きで魅せている。歌声もブレずに安定していて、センターでなくとも九人の軸になっている。

 間違いなく、美穂は誰よりも輝いていた。


<これでよかったと思わない? あんなにキュートでスウィーティーな女の子が、あがり症だからって全力を出せなくて、芽が出ずに終わっちゃうなんて寂しいじゃん?>
<夢を叶えてあげてるんだよ☆ 憧れてるのに、可愛いのに、叶わないなんて理不尽でしょ?>
<そういうこと、誰よりもわかってるんじゃないの?>
<理想の『しゅがーはぁと』を頭の中に飼ってやっと認められたあんたは、さ♪>
<ほら、見なよ☆ かわいいかわいい後輩だぞ☆ 立派なもんじゃないの、何が不満なのさ☆>


 心はこめかみを押さえた。

「頼むから黙っててくれよ……」


 しかし、アイドル・小日向美穂の楽しげな姿を見て、やはりどこかホッとしている自分もいるのだ。

 それがまた情けなくて、心はついに口元で笑っていた。




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