佐藤心「アホ毛?」小日向美穂「『ドリーミン・アーチ』ですっ」
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57:名無しNIPPER[saga sage]
2017/12/16(土) 23:13:07.92 ID:PMml/roUo

 美穂はきょとんとして所長達の様子をうかがった。

 よくよく考えてみれば、この人は何のために養成所に来たのだろう?

 打ち上げでの失態で怒鳴り込みに来たわけでもなく、わざわざ応接室を使って、所長までいるとなると――

(やっぱり、何かのオーディションを紹介してくれるのかもっ)

 プロデューサー直々に推薦してくれるというのなら、苦手な顔はできない。美穂は唇を固く引き結んだ。


 だがほんの五秒後には、その口がぽかんと開かれていた。


「率直に言います。私のプロデュースで、アイドルとしてデビューしませんか?」

「…………」

「佐藤のバックを務めていた小日向さんを見て、こんな逸材が今まで埋もれていたのかと驚きました。あなたならきっと、たくさんのファンに笑顔を与える素晴らしいアイドルになれます」

 男の言葉を呆然と聞いていた。

「わ、わた……え? 私が、で、デビュー? アイドル……なって、いいんですか?」

 もちろん、と彼はうなずいた。



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