佐藤心「アホ毛?」小日向美穂「『ドリーミン・アーチ』ですっ」
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46:名無しNIPPER[saga sage]
2017/12/14(木) 23:20:20.58 ID:0PxnMV0Mo

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 気がついたら、自宅にいた。

 ひどい頭痛に、着替えをする気力もなくベッドに突っ伏してから、どれくらい経っただろう。

 体は疲れているが、頭痛がゆっくり眠ることを許さない。もちろん思索にふける余裕もない。ただただ時間が過ぎていくのみだ。

 時折フラッシュバックするのは、あの瞬間の佐藤心の表情だ。

 それさえも、何度も繰り返しているうちにもっと冷たく、もっと厳しい表情に変化していって、そのたびに、勝手に涙がにじんでくる。


 美穂は、ただ佐藤心に憧れただけだった。 

 彼女にあやかることで少しでも自分が強くなれたら、と思っただけ。

 あわよくば、褒めてもらいたかったけれど。喜んでほしかったけれど。

 まさかその行為が佐藤心の意に沿わないものだとは考えもしなかった。

 後悔は思いを粉々にして、ガラスの破片のように美穂をずたずたにしていった。

 もしかしたら、この頭痛は不幸中の幸いだったのかもしれない。

 思考のすべてが後悔に支配されていたら、きっと喉が潰れるまで泣き叫んでも足りなかっただろうから。


 時刻が零時を回る頃、ようやく痛みが落ち着いてきた。

 美穂はふらふらとおぼつかない足取りでバスルームへ行くと、『ドリーミン・アーチ』のキャップを開け、洗面台に流した。




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