佐藤心「アホ毛?」小日向美穂「『ドリーミン・アーチ』ですっ」
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40:名無しNIPPER[saga sage]
2017/12/14(木) 22:56:45.65 ID:0PxnMV0Mo

――――――

 その夜、出演者と一部のスタッフで、焼肉屋で小さな打ち上げが開かれた。

「はぁとさん、隣いいですか?」

「もちろん☆ おいでおいで♪」

 宴が始まって小一時間、主役なのにせわしなくスタッフにお酌して回っていた佐藤心がようやく腰を落ち着けたのを見計らって、美穂はその隣に座った。

 美穂にしては珍しく、他の子を出し抜く大胆さである。

「あ、あのっ、び、ビールどうぞ」

 美穂は慣れない手つきでビンの口をカタカタ震わせながら、佐藤心のグラスにビールを注いだ。

 無論、ほとんど泡になった。

「ほほう、これがビビールですか……ってなんでそんなビビってんの☆ お姉さんショック☆」

「す、すみません。お父さんは焼酎派なので、慣れなくて」

 美穂は真っ赤になって言い訳をした。

「ようし、だったらお姉さんがビールの注ぎ方教えてあげる☆ あ、その前になんか焼こうか? カルビいっとく? 上だよ?」

「あっ、でしたら――あの、馬刺しを少し頂きたいな、なんて」

 誰が注文したのか知らないが、さっき大人側の卓に運ばれてきてから、ちらちらと機を伺っていたのだ。

「渋いチョイスだなあおい! ――ごめーん、それこっちに寄せていーい?」

 佐藤心がスタッフに頼むと、美穂達の前にツヤのある馬肉の刺し身が届けられた。

「はぁと、馬刺しとか食べたことないわー☆ 美穂ちゃんは?」

「実家でお父さんがお酒と一緒に食べているのを、横からつまんでました」

「え、実家? 地元どこなの?」

 それをきっかけに、美穂は聞かれるままに身の上を話した。



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