佐藤心「アホ毛?」小日向美穂「『ドリーミン・アーチ』ですっ」
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16:名無しNIPPER[saga sage]
2017/12/09(土) 00:13:05.94 ID:Exyht1QWo

「アホ毛を作ることでわかりやすいチャームポイントができるというのが主なメリットなんですが、他にも視線を誘導することで人に直視されにくくなった、という声もあるみたいですね」

「視線を誘導?」

「はい。アホ毛と言っても一本二本とかでなく、束になって出来上がるので、結構目を引くんですよ」

 確かに、と美穂はパンフの写真を見ながらつぶやいた。

「それに、頭の動きにつられて揺れるのがまた可愛くて、見てる人はつい目で追っちゃうんですよね。だから、他人の視線が気になる方やあがり症の方などにも愛用していただいてるんですよ」

「こ、これであがり症を克服できるんですか?」

 美穂が思わず食いつくと、店員は苦笑した。

「私は専門家ではありませんが……克服はともかく、真っ向から視線が合わないというだけでだいぶ気が楽になるみたいですね」


 理解できない話ではなかった。

 過去にも美穂は、着ぐるみを着るイベントであまり緊張しなかった覚えがある。

 その時は、主に小さな子を相手にしていたから大丈夫だったのかと思っていたが、直接自分を見ているわけじゃないということこそが重要だったのかもしれない。


 美穂は、棚の傍らに据え付けてある鏡に目をやった。

 そこに映った自分を見て、思う。

(私にもアホ毛があったら……あの人みたいに堂々と立っていられるのかな)

 カバンから、佐藤心にもらったカチューシャを取り出し、あてがってみる。

「あら、可愛いカチューシャですね」

「こ、これにアホ毛って、似合うでしょうか?」

「ええ、とっても」




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