68: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/12/14(木) 07:02:56.05 ID:3WL1s/2Yo
なにせ男はアイドルたちを愛していた。
とはいえ、それは異性に抱く愛情ではなく家族に向ける親愛に近い気持ち。
その、ともすれば妹や娘のような少女のパンチラに劣情を催してしまうなど人として――
まぁ、彼は既に人ではないのだが――恥ずべき行為だと自覚していたワケなのだ。
プロデューサーはそんな鋼の自制心とも言うべきプライドを持っているからこそ、やわわな春閣下のヒップが自身の膝上にあろうとも、
彼女の髪の匂いが鼻腔をふわりくすぐろうと、誘惑に耐えて己を律していたというのにである。
「ぬ、お、おぉぉ……!」
「ドコを見ておるか痴れ者め、余の椅子としての自覚が足りておらぬ! ……どうもお主には、まだまだ躾が必要じゃな」
厳しく閣下に叱責され、男は情けなさと自己嫌悪から奥歯を食いしばる。
そしてそんな二人のやり取りに、百合子は確信をもってこう言えた。
(あれってどう見ても嫉妬だよね? ……つまり、春閣下さまはプロデューサーさんにラブなんだ!)
また、この仮説はかような見解も導き出す。
(でも私だってプロデューサーさんは好きと言うより憧れで……。だけど今はそれと同じぐらい、私、春閣下さまにも恋してる!)
とんだ飛躍だと思うなかれ、これはごく自然な感情の成り行きだ。
まず、百合子はプロデューサーに少なからず好意を抱いていた。
優しくて頼りになる年上男性という存在は、それだけでとても居心地の良い関係を彼女に与えていたのである。
しかしこれは、彼女がまだ人間だった頃の気持ち。
今の百合子は春香による転生とも言える行為によって忠実なしもべとして生まれ変わっていた。
当然、産みの親とも言える閣下に仕える気持ちがある。
おまけに春香から直々に生血を与えられ、その忠義心はより深く、
強く高められていた――と、これはそういった一連の流れの結果なのだ。
また、恋心の中にはそれと同等レベルの強い悪戯心も潜むモノ。
好きな異性をついついからかいたくなるのは古今東西森羅万象、変わらぬ心の真理でもある。
……人、古来よりこれを『恋煩い』と呼ぶ。
無論、百合子だってその例に漏れることなどなく、嫉妬心を露わにした春香の姿にこう思った。
「あの嫉妬と言う名の感情を、自分にもどうにか向けさせたい!」……
そのためにも、まずは春香の中で自分の存在を大きく膨らます必要がある。
即ち、それは彼女を悦ばせることとほぼ同義。
手段は当然、閣下の望みを叶えること。
さらに場合によってはもっと直接的で原始的な……"奉仕"と呼ぶべき行為すら、選択肢の中には入るのだ。
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